僕が国産品にこだわるのは、畳を買うという事が、まさに時間を買うという事だと思っているからであります。
藺草の周期(表替えの目安)は7~10年だと言われているが、例えば10年、家に一つ安らげて健康的で、カッコイイお気に入りの空間があったら間違いなくそれは人生を豊かにするはずです。
好きな家を建てるのは本当に素敵なことだが、まずは好きな空間を作る方が、コスト的にも、
気持ち的にも好いのではないか?
そこでやはり畳屋としておススメの空間アイテム、藺草について書き記そうと思う。
僕は2009に年初めて藺草の産地、熊本県八代を訪れた。
何のあてもなくただ行かねばという気持ちだけで。
当然ながらどこに行っていいかわからずウロウロしていると、農協が目に入った。
「どうしても行かねばという思いだけで来ました。」
と職員さんに話すと、喜んでくれて、おススメの農家(生産者)さんを紹介してくれた。
そこで色んなことを学び、こだわりを聞き、また畳が好きになった。
次の月、再び産地を訪れ、今度は複数の生産者さんたちと飲み会を設けて頂いた。
そこで語り合い、僕は一つ思った。
国産品であればいいのか?
藺草は農作物である。
土、水、風、太陽、植える時期、刈る時期。そして畳表に織る時期、寝かせる時間、
色んな要素が詰まっている。
一つ一つに人間性が現れるのである。
もちろん最低基準はクリアしないと市場には出てきませんが、
産地には市場(問屋)ではありえないレベルで基準がある。
目のこえた方々がこだわりまくっている。
だから僕は考えた。
よし。良いものだけを仕入れるのではなく良い人(こだわっている人)から
仕入れさせてもらおう。
。
そして畳にして届けたお施主さんの声を生産者さんにも教えてあげよう。
最終的にはすべてはめぐりあわせ(出会ってないない素晴らしい方も、出会ってるけど買えない方もいる)
藺草は天然。
藺草は自然。
花みたいなもの、
木みたいなもの
手入れ(掃除)
や手間をかけてあげないと
カビが生えたりもします。
だけど
。
ちゃんと手入れしてあげると、虫は来ませんし、カビも生えません。
そしてご褒美に
湿度調節してくれたり、良い香りがしたり、集中力が増したり、
癒してくれたり、
良いやつなんです
毎朝拭こう。
それだけで健康になるし、ご褒美をくれる。
寝転がろう。素足で踏もう。
それだけで天然素材の良さがわかる。
今、和紙や樹脂といった素材があって、いろんな畳空間を演出できるようになりました。
それも素晴らしいし用途によっては藺草を凌ぐ。
のだけど、年を重ねて時がくれば、きっと人は藺草に帰る。
きっとそれは、死んだら海に帰るみたいなものですね(笑)
そのときまた当たり前のようにおかえりっていえる畳業界であれるか?
い草は畳、日本の原点であり
故郷である。
故郷なくして未来はない。
い草なくして日本の未来はない。
僕は本気でそう思っている
。
そしてそんなこと以上に本気で、畳の素敵さに魅了されているんです。僕自身。
そして畳って実はすっごい身近なインテリア。
知れば知るほど良いとこいっぱいですし、
実は一番手軽に替えちゃえる敷物なんです。
ぜひこのブログでい草を知り、
今ある畳の間が少しだけでも好きになって頂けたなら幸いです。
い草さいこー( ´ ▽ ` )ノ
ほっこりしようぜ
おしまい