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SDGsと畳屋さん

ボクとい草の物語②

[2020年2月3日 07時24分]

はじめに:い草産地での決意の瞬間

おはようございます。ボクとい草の物語の続きです。

前回をご覧になってない方はこちらから:[い草職人の原点!14年前の熊本県八代市い草産地初訪問記【連載第1回】]

そう。3度目のマーキングを済まし、機は熟した。いざ再びJAへ。

JAでのい草への想い告白!畳職人の熱い想い

農家さんたちとの最初の接触

なにやら椅子に座ってるおじさん達がいたので「こんにちはー」

………。

「こんにちはーーー」

おじさん無視。弁当食べとる。

い草業界への想いを伝える瞬間

「こんにちはー、あ、あのー、僕福岡の畳屋なんですがー。…」

するとだいぶ顔の怖いおじさん(社員さん?)が、「畳屋さんがどげんしたと?」と少し怒って聞いてきたので(多分被害妄想です)、状況を説明。

衰退するい草業界を支える農家さんに会って話がしたい。い草は良い。畳自体も減り、その上中国産表や工業表が増えて来たけど、国産い草を求める声はいっぱいあるし、もっと頑張るので諦めないでほしいと言いたい。

そこははっきり言いました。断固たる決意ですからね。

JAからの導き

すると、怒ってたおじさん(多分怒ってはないけど)が、「あっちに行ってみ」と教えてくれたので指のさす方向へ。

後で知ると、あのおじさんたちは農産物を市場に出しに来た農家さん。その時はそんなことすら気づかないほど緊張してました。

い草への情熱が認められた瞬間

事務所での再チャレンジ

指のさす方向に行ってみると何やら事務所的なものがあり、3人くらいが談笑中。

うっ…入りにくい…と思いながらも人見知りの僕にラリアットをかまし、いざ中へ。

そこでも同じ繰り返し、「こんにちはーー」

反応薄し…

「こんにちはー」

あっ!俺に言いよんやーって少し反応。

い草への想いが通じた感動の瞬間

そこで状況を説明。衰退するい草業界を支える農家さんに会って話がしたい。い草は良い。畳自体も減り、その上中国産表や工業表が増えて来たけど、国産い草を求める声はいっぱいあるし、もっと頑張るので諦めないでほしいと言いたい。(2回目)

すると先程の反応とは正反対の笑顔でニコリと笑って、

「おおー。よう一人で来たね。大体畳屋さんは組合かなんかでたくさん来ることはあるけど、一人で来たのはあんたが二人目ばい。」

「そ、そうなんですね。」

心の声(二人目なんや、もっと来てるかと思ったけど)

先駆者との繋がり発覚

そこでもう一度、趣旨を説明。(ただの感情論ですが)

でもやっぱり気になったので「ちなみに一人目って誰なんですか?」と聞くと

「一人目は今、畳屋道場ってのを農家とはじめた山形県の鏡さんたい。知っとうや?」

実はこの時より少し前に畳屋道場の取り組みに興味があり話を聞きに行ってたので知ってました。

(へえ、鏡さん流石だあー)なんて思いながら、手土産の博多通りもんを渡すといきなり、

「農家さんとこいってみるや?」と一言。

い草生産者との運命的な出会い

突然のい草農家見学決定

心の声(まじ?いきなり?…やったー。来てよかったーー)

「はい。ぜひ!!」

すぐさま準備をし、アポをとってくれる社員さん。

「あーー○○さんね?今福岡から畳屋さんがきとらすと。ああ?知らん。今から見に行ってもよかね?ああ?知らん。」

い草農家さんへのアポ取り

予想ですが多分農家さんの質問は、「畳屋さんが何しにきたとね?」「見に来てなんするとね?」だったんじゃないかなーーーと推測。

それだけ畳屋さんが個人で来るのは珍しい時代だったんだと思います。

そして何件かにアポをとっていただき、軽トラで出発進行。

社員さんの温かい言葉

車内で聞いたんです。「仕事中なのに僕だけのためにこんな時間を割いてもらって大丈夫ですか?」

すると社員さんは言いました。

「良かたい。どうせ見に行くのも仕事やけん。それに嬉しかたい。あんたみたいな若いもんが(当時27歳)一人でわざわざ来なすってい草好きとか言ってくれて、だいぶ勇気いったろうが?中々出来るこっちゃなかたい。」

心の声(勇気出してよかった。3回しっこ行ったけど、勇気出してよかった)

「ありがとうございます。」

い草名人・渡辺康之さんとの出会い

特別ない草生産者の紹介

そして何件か連れて行ってもらいました。その中で、社員さんが「この人の表(畳表)は良かよ。」っとそっと教えてくれたのが渡辺さん。

当時何もわからない僕でしたが、きれいだなーと仕上げ中の畳表を見て思ったのは覚えています。

「伝統の逸品」印鑑の深いエピソード

そして渡辺さんの印鑑、「伝統の逸品」と書いてある。

「カッコいいですね。」っていうと、渡辺さんが

「もう結構長いことい草作りよるけんが、これを押せるようになったのは最近たい。親父の作りよったい草と比べて自分が納得いくもんが作れるまで押さんって決めとったけんが…」

「そうなんですね。凄いですね」とさらっと言いながらも、内心は(うおー。すげー…カッコいい)って思ってました。

い草職人たちの想いを実感

そして色んな人が色んな思いで織ってるんだなーって。(当時行った時期は製織の時期でしたので皆さんが織ってました)

こりゃー性格も出るだろうなーって。そんなこんな思いながら、この日の見学会は終了。

次回への約束とい草への想いの継続

継続的な関係構築への第一歩

さらに、帰りの軽トラで「来月も来ていいですか?」社員さんに聞くと、快く

つまり「良か良か。来い来い。じゃあ今度は飲み行くぜ。実際、農家さんは作業中はあまりしゃべらっさんけん、飲みに言っていっぱい聞いたらよか」

い草への想いが繋いだ友情

まじか。なお、会ったばっかなのに飲みにも誘ってくれるんか。つまり、男の友情に時間は要らぬ。

かぁぁ。いぶし銀だねーー

そして、一回目の産地八代をあとにし、ワクワクしながら福岡への高速をブイブイいわしながら帰りました。

まとめ:い草への情熱が開いた扉

つまり、い草への純粋な想いが、多くの人の心を動かした記念すべき初回訪問。

なお、次回は、約束通り再び八代を訪れ、い草農家さんたちとの飲み会で聞いた貴重なお話をお伝えします。

つづく

ほっこりしようぜ


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