“い草”日本文化の一つである畳の重要素材として守り、紡いでいきたいもの。
そして佐野疊屋の根幹となる大切なもの。
今日は佐野疊屋のオリジナル商品である”草美人”無染土表との出会いについて思い出しながら書いてみました。
出会い、別れを繰り返しながら良くも悪くも大人びていく。
こだわりながらも柔軟なジェントルマンを密かに目指す三代目ジェイソウル畳屋の僕ですが、
何も最初からこんなにい草が好きだったわけでもないですし、ここまでなるとは思いもしませんでした。
出会い。
それは時に人生をも変える。
特にい草好きになって伝えていきたいと思って、ブログを書き始めて頂くご縁”出会い”は
半端なく刺激的で。限りなく可能性を感じます。
前置きが長くなりましたが、
僕が無染土表と出会った話、そしてそれを取り扱わせて頂いてる理由。
良かったら最後まで涼しい所でご覧いただけたら幸いです。
い草業界の衰退を知り、いてもたってもいられなくなり日本一のい草の産地熊本県は八代を訪れて8年。
毎年数度、たびたび訪れ、畳表の勉強や交流を重ねていたある日、
倉井さんという生産者さんに出会いました。
いつものようにお酒を飲みながらい草談義をしていると“無染土表”という素材の話になりました。
その翌日、直に“無染土表”を見せて頂けるということで倉井さんの工房を訪ねました。
い草本来の青さと抹茶のような香り、何よりその艶感とむちむちと実の詰まった一本一本のい草に
驚いたのを今でも覚えています。
だけど倉井さんの無染土表は完全契約制ですべての予約はすでに完了していました。
それから月日を重ね、無染土表への好奇心も高まる中で、産地八代の地でい草の研究家である北九州大学の森田教授の講義を聞く機会を得ました。
い草の効能や可能性をそこで改めて勉強しました。そして確信しました。
今後い草にこだわり、人のお役に立てる畳屋になるためには、
倉井さんの無染土表が必ず必要になる。と
それからもう一度倉井さんを訪ね、
「うちにも織ってもらえないだろうか?」とお願いしました。
しかしやはり契約の枚数でどうしようもないと告げられました。
ただどこかで情熱を理解してくれた倉井さんは、もし少しでも余ったら佐野君に回してやると言ってくれました。
だけどもそんなに都合よく余るわけもなく電話はかかってきませんでした。
また数ヶ月という月日が経った時、今度は福岡で再び森田教授の講義を聞く機会を得ました。
話は八代で聞いたものよりより深くなっており、ますますい草への思いは強くなりました。
もういてもたってもいられなくなり勇気を出し、倉井さんに電話しました。
「今後、乳幼児や敏感肌の方にもより役に立てる畳を作っていきたい。そのためには倉井さんの無染土表が
必要不可欠なんですどうかお願いします。うちも契約させて下さい。」と。
気持ちはわかった。調整がつくかどうかあらいだしてまた連絡する。その時の電話はそれで終わりました。
そして後日、「田んぼ一反契約(約300枚位)で良いなら行けるけどどうか?」という話を頂き、
二つ返事で契約させて頂きました。
2014年夏ついに“倉井式無染土表”を取り扱い店になったのです。
といっても“契約制の無染土い草”は夏に刈り取り、畳表として本格的に織りあがるのは翌年の二月か三月、
それまでに「どのように使用したいのか?」「根っこはどのくらい残すのか?」そのほかにも草の選別方法など
打ち合わせしながら、
『保育園や子育て世代に優しい畳を作りたいこと、見た目より遊んでも傷みにくい強さを重視してほしいこと』
を伝えました。
そして織りあがったのが日本でも佐野疊屋にしかない、強さと優しさを重視した無染土畳表“草美人”です。
有機肥料で土作りからこだわり、い草の中でもより強い根っこの部分を程よく残した艶々の畳表。
特にこんな方にお勧めです。
・現在出産を控えている方
・5歳未満の方のお子様がいるご家庭
・保育園
・敏感肌の方
※無染土の特徴に特化した記載であり染土が子供に悪いということでは決してございません。
自然×人間=日本の至宝
天然モノの畳は本当に優しくて美しい。
これからたくさんのイベントに参加が決定しております。
どうぞ機会がある時に一度体感してみてくださいね!!!!
100%の自然素材に100%真心を込めて、
皆さんの生活に和らぎと癒しが届きますように。
ほっこりしようぜ
おしまい