温故知新~い草に帰る日~ 

 

自然。

それは、いかにテクノロジーが進歩しようと、僕たちの根幹にあるモノ。

昨日、本来仕事と呼ばれる時間の中で、仕事を卓越した本当に価値観を研ぎ澄ますような時間を頂いた。

 

佐野疊屋、大体打ちわせは長い。

ホームページや情報誌、などからお問い合わせを頂いた方とは特に長い。

実は、もうそれは打ち合わせではなく、もちろん見積りとかでもなく、

(もちろん、打合せも見積りもするけども)

雑談とか、価値の共有だったりするから。

到着するといつもおもてなしを受ける。(ほんとうにありがたい)

そして、家の自慢や施主さんの理念や哲学を聞かせて頂く。

理念なんかないよーって言う方いるけど掲げてないだけで個人としてみんな持っていると感じます。

 

それらの思いを聞くと次第に僕がわくわくしてくる。

それは多分佐野疊屋に興味を持ってくれて、依頼してくださる時点で価値観が近いということだから。

(偉そうでおこがましいですがね)

 

『どうですか?良い提案ありますか?』

って聞かれることがあるけど、

『わくわくしてます。』とだけ言う。

そしてご自慢の農家さんと僕らの魂の結晶、畳表を持ってくる。

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※写真 静岡県松葉畳店 伊藤知美さん撮影(最高の写真です)

まず養生の厚めのビニール袋から出すと、い草の香りが空間にひろがる。

そこでさらに施主さんとの距離が縮まっていく。

そして生産者さんとのこと、い草作りのこと、畳作りのことの話に展開されて行く。

 

そしてバリエーション豊かな畳縁を選んでいく。

ここはあまりの多さに困惑される方が多いですが、

ゆっくりゆっくり消去法で好みに近づけていく。

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そして、最後に僕の哲学だったり、理念、価値観を話したりする。

材料、施工方法、納期、価格。

単純にそれだけを決めることはしない。

なぜ?

を大事にする。

なぜこの素材をお勧めするのか?

なぜ納期が長くてもその方法をお勧めするのか?

なぜこの価格なのか?

そんな感じな打ち合わせだから長い。

短いバージョンもたまにはある。

信頼してくださってるリピーターさんは

『次はこれで行こう』とだけ言うだけだから。

まあ。畳以外の話で盛り上がることもよくありますけど。

、打合せの話をしましたが、今日はその話ではなく

(ないんかーーい)

いつも、長くてすいません。

土曜日のお話。

まず、きっかけは僕のブログを見て興味を持っていただいたのが始まりでした。

東京にオフィスを構え、普段は全国を飛び回っている飯塚市出身の方。

朝ドラ『花子とアン』で一躍観光スポットとなった飯塚の炭鉱王伊藤伝右衛門さんの前のお宅。

昔は長崎街道の宿場町として栄えたその通りにある伊藤伝右衛門さんに会う前の日に泊まった町屋造りの家。

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後に、高級飲食店となり、着物屋となったりしたが、空き家となって、取り壊し駐車場になるという話が言われていたという。

古き良き日本人としての生き方を考え続ける飯塚市出身の野見山当主。

 

敢えて社長と言わないのは、ここの古民家は経営ではない生き方、働き方を古き良き感謝でしかない生活のなかで

向き合う家だから。

社員全員で磨き、傾きは人づてに確かな職人さんと出会い、修復してきたとのこと。

文面だけじゃ、中々伝わらないと思うけど、本当に生き方が素敵な方で、

まず出会えたことが本当に感謝で、

そして、畳で携わらせて頂くことになりました。

本藁床に、麻の縁、そして畳表は、町屋の雰囲気を甦らせたいとのことで、迷いなく草野さんの『京の趣』を聞させて頂きました。

 

保育園に深く関わりを持つ会社ですが、

テーブルでご飯を食べるときと、畳に座ってご飯を食べるとき、園児は全く違うという。

長い長い年月を日本人は畳の上で苦楽を過ごしてきました。

明治維新後、欧米のスタイルがライフスタイルに加わってきて、畳も、外国産や化学表など、生き方ではなく売り方

重視の考え方で商品開発が進んできました。

畳とはなにか?というよう問いはどこかに隠したまま、どうやったら売れるかだけを考えるようになりました。

商売人とは?という根本が売り上げ主義の考え方に変わってきました。

しかし、思うのです。

本来生きるために役立つもの、衣食住。

そのために役割分担して、百姓、商売人、職人、役人などと分担されて行ったことを考えたら、

役に立たないものは商品ではないのです。

モノが溢れ、死なない程度の色んなものはいつでも安く手に入る日本です。

そのなかでも違和感を抱え、時に命を絶ってしまう人もいます。本来のい草という素材を使った畳というものは

本当に日本人の原点です。

戦争、地震、台風、ストレス社会。色んな利便性追求への歪の中に

近いうち絶対原点回帰を余儀な考える時代が来る。

 

その時しっかり日本のルーツである自然素材の畳が在れるよう、僕は誇りを持って動き続けます。

 

日本人が畳に帰ってきたときに、

『おかえり』

と懐深く迎え癒せる両親のような存在であれるように。

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ほっこりしようぜ

 

 

 

 

おしまい

 

 

 

 

 

 

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