畳は色んな思いの集合体なんです。
畳は大きく分けると4種類の素材が合わさって出来ています。
その一つ一つが全く別の生産者さんの元で出来て材料問屋さんを介して工房に届けられてきます。
畳の芯材となる畳床(たたみどこ)、表面の畳表(たたみおもて)に畳縁(たたみべり)、そしてそれらの素材を縫い合わせたり、補助したりする副資材。
どれ一つ欠けても良い畳にはなりませんし、(へりなし畳は別として)また畳の裏側には各々たくさんの思いと技術が詰まっています。
僕ら畳職人はその思いをしっかり引き継いで、切ったり縫ったりし、畳に仕上げて皆さんにお届けするのが仕事なんです。
佐野疊屋がお勧めする畳は、まさにそんな一つ一つの素材に魂がこもり集結した畳だということを前提に、
実際に畳を作る工程を書きたいと思います。
①見積り・打ち合わせ
実はここが一番お店の特徴が表れる場面です。
当店はこれがお勧めで、これが○○円で合計すると○○○円になります。
って流れが一般的な見積りですが、佐野疊屋の場合は少し違います。
まずどんなシーンで使うのかを聞き、使い方、過ごし方をふまえて畳というものを一緒に考えていきます。
よほどの湿気やほぼ家に居ない生活の方でない限り、お勧めするのは国産の天然畳表で、
その中でも、耐久性に優れた品種、見た目が美しい品種、足ざわりの良い畳床やアクセントにも野暮にもなる畳縁の話、経年劣化と経年熟成の違いなど色んな素材の話をします。
その次にその素材らをどんな風に仕上げていくのかという思いや技術の話になり、
最後にそれらがいくらすするのかという価格の話し、日程の話になります。
”畳替えは人生においてもわくわくする一大イベントだと考える佐野疊屋は
打ち合わせを一番重要な部分だと考え、“わかりやすくて楽しい”をモットーにしています。”
②採寸または引上げ。
①で当店に決めていただいた場合、日程を決め、新床(新しく畳を作る作業)の場合は部屋の採寸を行います。
表替え(今ある畳で畳表と畳縁を替える作業)また裏返し(今ある畳で既存の畳表を裏返し畳縁だけ交換する作業)の場合は、あらかじめ隙間を見ながら引き上げます。
ともにこの時、畳の下を掃いたり、掃除機をかけていきます。
佐野疊屋ポイント①(2017年からの新サービス)
軒先で手縫いコース、工房持ち帰りコースを選べます。
昔は職人さんが素材と道具を持ってきて庭先で畳を手縫いするという畳替え風景でした。
畳作りも機械化が進み、効率のみが先走りしているような気がしています。
畳替えにわくわくと思い出を提供していきたい当店は、軒先での畳作りをオプションとしてではありますが、
復活させました。
また工房持ち帰りコースでも、畳作りの色んな見れない裏側を撮影し、畳替えの記録のアルバムとしてみなさんにプレゼントいたします。
どうぞご期待くださいね!!
③床作り
②で採寸、また表替えならば隙間にふまえ床作りをおこなっていきます。
採寸に合わせ、畳床を裁断、また寸だし(隙間を埋める)をおこない
角や縁下(畳縁がついてた部分)など、下がっているところなどに稲藁やい草などを縫い付けしっかり補修、補填していきます。
どんなに良い畳でも床板が悪いと、しっかり敷き込むことは出来ません。
またどんなに良い素材でも畳床が悪いとしっかりした畳にはなりません。
”どんなものでも生活の中では見えない所、
土台作りが一番大事なんだと考えています。”
日曜日、
仮面ライダーがはじまるのでまた書きます(笑)
ほっこりしようぜ
おしまい