
なぜ畳を好きになれない?本当の畳の魅力と適材適所の使い方
[2015年10月27日 05時04分]
なぜ畳を好きになれない?本当の畳の魅力と適材適所の使い方

木の家とい草の畳で自然に癒される空間
畳は本来、好きになっても嫌いになるものではありません。では、なぜ畳の部屋が減り、天然い草産地が衰退しているのでしょうか?この疑問について、畳職人の視点からお伝えします。
畳の部屋が減っている本当の理由
まず最初に、昔の日本家屋は畳の部屋が多すぎたと思います。そのため、和室がブームだった時代があり、家の部屋という部屋は全部畳という家も田舎ではまだ珍しくありません。確かに、畳屋としてはありがたいことです。しかし実際は、家具の配置を考えると、畳よりもフローリングが適している場所もたくさんあるのです。
また、畳の手入れのしづらさから、最近では人気が低下しています。とはいえ、現在でも多くの日本の住宅では、少なくとも一室は畳の間を設けることが一般的です。
例えば、田舎ではお母さんの嫁入り道具で立派なタンスがあったりします。そして、畳替えの際にこう相談されることがあります。
「もう捨てようかな?」
そんな時、私はこう答えます。
「捨てないでください。とても勿体ないですよ。さらに、その思い出の品は二度と戻ってきません」
(もちろん、思い出ごと捨てたいなら別ですが)
畳を好きになるための提案
そこで提案です。部屋を整理し、タンスを捨てるくらいなら、その部分の畳を処分してフローリングにしましょう!
「畳屋が血迷ったか?」と言われそうですが、これには理由があります。
なぜなら、その方が確実に畳を好きになれるからです!
現代の日本では、木製フローリングが主流になっています。そのため、畳を使用した部屋は減少しています。ただし、畳の特性は今でも魅力的です。特に、床に直接座ったり寝たりする人々からの需要は続いています。
まず何より、畳を楽しめる環境づくりが大切です。そのため、畳の上には何も置かないほうが良いでしょう。また、置くとしても、すぐに移動して掃除できる程度のものがベストです。これは理想的な形ですが、この理想に近づけるための提案も畳屋の仕事だと考えています。
畳とフローリング、適材適所で活かす
一般的に、畳VSフローリングという対立構図で語られがちです。しかし実は、それぞれに良さがあるのです。
まず、畳には優れた断熱性や湿度調整機能があります。一方、フローリングは摩擦に強く、お手入れが簡単です。このように、どちらも異なる利点を持っています。
つまり、畳には畳の良さがあり、フローリングにはフローリングの良さがあります。だからこそ、適材適所で使い分ければ、それぞれの特性を最大限に活かせるのです!
そして、畳を選ぶならやはりい草がおすすめです。確かに、インテリアとして畳を考えるならカラー畳も選択肢です。しかし、い草を使った畳には多くのメリットがあります。例えば、空気清浄効果、断熱性、弾力性、冷却効果などです。特に暑い夏には快適さを保てます。さらに、環境に優しく、音も吸収します。
このように、い草畳にしかできないことはたくさんあります。ぜひ、畳屋さんに相談して、あなたの家に合った畳の使い方を見つけてください。
畳の魅力再発見:プロアスリートも愛用
最近、興味深い情報を見つけました。なんと、宮城楽天イーグルス(野球の球団)が室内素振り部屋として、畳の部屋を作ることを決定したそうです。
また、有名な例では、世界のホームラン王・王貞治さんは素足で畳の上に立ち、日本刀を持って紙を切る素振りをしていました。松井秀喜氏も同様です。そして今でも、畳が擦り切れたその部屋は「松井部屋」として残っています。
素敵ですね!私は福岡出身なので、もちろんソフトバンクを応援しています。けれども、こうした情報を知ると、今後の楽天の打撃陣には要注意かもしれませんね!
冗談ですが、ソフトバンク宿舎の畳の依頼もぜひお待ちしています(笑)
そういえば、昔から多くの文豪も和室にこもって作品を書き上げていました。おそらく、集中力アップや癒し効果など、い草の特性が関係しているのでしょう。実際、い草に含まれるフィトンチッドには、リラックス効果や精神安定効果があることが研究でも証明されています。
そう、きっとそうに違いありません!
理想的な畳の間の使い方
“家にフリーな畳の間があれば、試験前の息子は勉強ができます。また、プレゼン前の父はそこで資料を仕上げられます。さらに、母は生け花を楽しみ、娘はヨガをすることもできます。
個人で使うこともあれば、テーブルを置いて家族団らんの場にもなります。時には図書館のようにも、ヨガ教室にも、宴会場にもなります。
普段は何も置かないので、掃除も簡単です。また、床下チェックも容易にできます。”
西洋の考え方では、部屋ごとに目的を定めます。しかし、畳の間はその反対です。畳の間は必要に応じて、何にでも変化できるのです。
いかがでしょうか? 畳って最高ですよね?
まとめ:畳を本当に好きになるために
素材の特性を理解し、フローリングと併用することで、本当に魅力的な畳の間ができます!畳は空気清浄化、リラックス効果、安全性など、数多くのメリットを提供します。残念ながら、畳職人の技術は徐々に衰退しています。しかし、今でも多くの日本人は、座ったり昼寝をするために畳を愛用しています。
歴史的にも、畳は1,200年以上にわたって日本の生活空間に欠かせない存在でした。湿度調整、断熱、空気清浄など、独自の利点を提供し、一年中快適な環境を維持してきました。
これからも、畳の魅力についてブログで発信していきます!
ほっこりしましょう!
おしまい
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