今日は業者さんの忘年会でした。
あまり親しく話せる方はいなくて、
みなさんの会話に耳を傾けながら飲んでいると、
「○○は忙しいらしい儲かっとるばい。」
「あそこは○○が○○円で仕入れれるらしい。
儲かるばい」
ってな会話が聞こえてくる。
僕も商売人だし、経営者。
気持ちはわからんでもないが、
あれはあの人が手間暇かけて磨き上げた柱ばい。
ツヤが違おうもん。
だとか、
あの木は良かね。
最高な柱になるばい。
良い腕しとるねー。
だとか話が聞きたい。
やすいだとか、儲かるだとか、
なんか響いてこないんだよなぁ。
最愛の家族がいる。
次男はあだ名がギャングだけど、
めちゃくちゃ可愛いし、
長男はもちろん最高に可愛いし、
奥方はめちゃくちゃ優しくて、
ハンドクリームの香りが異次元だけど、最高だし。
畳屋頑張れば頑張るほど、お客さんも従業員も生産者さんも材料屋さんも田川市も、喜んでくれる。
欲しいものは尽きないけど、
豊かさでいえば常に最高な気分の僕ですが、
幸せ怖い怖い病な僕ですが、
今日取材頂いたオーガニックな衣食住を展開されてるkujiraという会社のヨシモトさんに頂いた問い。
う
「佐野さんにとって豊かさってなんですか?」
僕は今、充分豐かですだとか偉そうに言いながらも、何かしら引っかかる思い。
そうだ。今は確かに豊かかもしれないけど、
この幸せは自然あってのもので、
この先息子たちにキチンと紡いで行きたい。
って思ったんだ。
だから今僕は豊かで幸せだけど、
きちんとい草生産者さんとタッグを組んで、未来に向かった行動をとっていくべきなんだって再確認しました。
畳は藁床やい草、麻や綿などの天然素材があってこそなんです。
自分だけが生きてく上で、特別なことはできなくとも当たり前のことを当たり前にできている今に最高に感謝していますが、
しっかり産地のココロありきで考えて行きたいな。
変わりゆく天候や環境の中、
一番影響を受けるのはまず生産者さんなんです。
会社そのものの自己的なものでなく、外部環境が目まぐるしく移り行く今だからこそ、
しっかり手を取り合って、行きたいな。
生産者さんの不幸はやがて加工屋の不幸となり、消費者さんへと連鎖していく。
それを浅はかな利便性でクリアしたつもりでいても、やがてそれは自然へ影響を与え、世界は乱れていくんです。
それが自然のサイクルだと思う。
つまり本当の豊かさとは、
”スペシャリーな平凡の継続。”
簡単じゃないけど、単純なもんなんです。
難しくないけど、特別なもんです。
のりたろー『黄金バランス』より
しっかりこの当たり前を後世につないでいく。
息子がいつか孫を連れてきた時、
い草の畳にゴロンとしながら、
おぉー。ゆっくり楽しんでるか?
なんて偉そうに言う。
今と変わらず、生産者さんにメールしたり電話したり、もしかしたらテレパシーなんて技術があるかもしれないけど、3D映像の生産者さんに、
「今年のい草はまた味がありますなぁー」
なんて言う。
自分の家族や従業員家族や生産者さん達家族と、
オリンピックの次の年に富士山で、原点会議する、
これが僕の豊かさなんだと思う。
贅沢だよなぁー。
でも地球には優しいからね。きっと。
ほっこりしようぜ
おしまい