
天然表と化学表の畳を徹底比較 ~本当の畳の価値とは何か~
[2021年7月6日 06時21分]
天然表と化学表の畳を徹底比較 ~本当の畳の価値とは何か~
畳業界の価値観の違い
まず、天然表と化学表の大きな違いについてお話しします。
実際に、産地でやっていることと、大多数の畳屋がやっていることの価値観に相違を感じます。
つまり、い草産地で言う”畳”と、畳業界でいう”畳”とのギャップがあることを日々感じているのです。
化学表の普及とその背景
化学表が選ばれる理由
近年、畳業界では、化学表と言われる畳表が大きく普及しました。
なぜなら、化学表には以下のような特徴があるからです:
- まず、カビが生えにくい
- そして、色変わりしない
- さらに、色んな色がある
確かに、今までの畳に対する疑問や不満を一掃するような商品が、色んなメーカーから数々生まれてきました。
実際の導入体験
実は、私の畳屋でもすぐに取り入れ販売しました。
たしかに、色んなカラーがあり、カビへの対応は減りました。
産地で感じた真の価値
天然表の本質的な魅力
しかし、僕が産地を訪れ、感じたのはそれらのことを大きく超えた感動でした。
すなわち、**”い草は自然と人の恩恵である”**ということです。
そう考えると、そもそも自然からなる天然表と、天然にはないものを表現する化学表は、同じ天秤では比べるものではありません。
天然素材の「欠点」は恩恵
結果として、カビや色変わりは天然ならではの恩恵なんだと気付きました。
ただし、カビ生えて恩恵なんだと我慢しろという話ではありません。
実際に、カビ対策はブログやYouTubeでたくさん紹介していますので、ぜひ一度予防法を学んでいただけると自然素材の畳を最大限楽しめますよ。
畳に本当に求められるもの
根本的な疑問
そこで、畳に求められるコトってなんだろうと考えました。
また、畳のある暮らしって使う人に何をもたらしてくれるのだろうと思うのです。
現在の畳業界の現状
現在、現場(畳業界)では、色んな価値観があります:
- まず、い草の表のモノも、化学表のモノも同じ”畳”として売られています
- そして、藁床のモノも、建材ボードと発泡スチロールのモノも同じ”畳”として売られています
- ただし、価格差はあります
一方で、色変わりしない、カビはほぼ来ない化学表に対して、カビが生える、色変わりするという天然製品が悪いのでしょうか?
森田教授から学んだ科学的根拠
天然表の科学的価値
実際に、感覚的に言えることはたくさんありました。
例えば、作っている最中でも、まったく手触りや香りが違うため、針の通り方や、風合いが違います。
そして、産地に通うようになってから、それらの感覚を物理的に解明してくれる森田教授に出会いました。
科学的に証明された効果
具体的には:
- まず、森と同じ成分、フィトンチッドの存在
- そして、癒し効果抜群のバニリンの存在
さらに、数度の講演と、飲み会の中で色々なことを学びました。
天然表の特徴を正しく理解する
カビについての正しい認識
要約すると、カビは正しい対処法を知ることで、その畳表が天然であることの証明にしかならないということです。
むしろ、免疫力を養うためにも多少はあったほうがいいとのことでした。
色変わりの美しさ
一方、色変わりは、紅葉とまったく同じ原理です。
つまり、葉緑素の分解で起こる自然現象なのです。
ここで質問です:庭の楓が紅葉するのが嫌で造花に植え替えますか?
結局、時流と、趣を楽しむことが大切なのです。
い草から畳へ、驚きの技術
単なる草から敷物への変身
畳ってすごいです。
実際に、一昨日は刈り取りに参加させていただきましたが、一本一本は言い方悪いですが、極論ただの草です。
確かに、道端に生えてても特に気にすることもないと思います。
しかし、それを知恵を使って手間を加え、織ることで、何十年も使えるものになります。
畳開発者への敬意
本当にすごいと思います。
正直に言うと、考えた方にノーベル賞をあげたいですが、僕にそんな権限もツテもないので、誰か権限持っている方にお伝え願います。
天然表vs化学表の本質的違い
不満解消の正しいアプローチ
話を戻すと、天然表と化学表の特徴は全く違います。
たしかに、「カビはダメ。色変わりはダメ。」という声を耳にすることは多々あります。
また、商売の基本はお客様の不の解消であるのはわかります。
畳の本質的価値
ところが、のりたろー曰く、畳の本質は「畳は自然と人とが織りなす敷物、世界で3本の指に入る最高傑作」です。(あと2本はわかりませんが笑)
したがって、不の解消方法は、カビが生えない畳、色変わりしない畳ではありません。
むしろ、カビの生えない生活習慣の見直しや、自然との暮らし方が的を得ていると思います。
自然素材としての畳の価値
利便性を超えた価値
利便性を求めるならば、むしろ畳でなくていいのです。
一方で、行き過ぎた利便性や効率化に疲れた時に、そっと寄り添う自然の在り方が天然畳の素敵さなんだと思います。
キャンプと同じ原理
なぜ人は自然の中でキャンプするのでしょうか?
確かに、利便性は家の方がはるかに良いし、都会でキャンプした方が、コンビニもスーパーもあります。
そう考えると、人はみんな自然の中に暮らしているのです。
ただし、ビルに囲まれて忘れちゃっているだけで、自然の中にいくと心が喜ぶんです。脳科学でも実証されています。
室内の小さな森
実際に、小さいながらに森を家の中に展開出来るのが畳です。
同様に、無垢の木材、漆喰や土壁も自然素材として価値があります。
畳のある暮らしの実践
日常での畳活用法
僕は畳屋なので畳のことしか詳しくありませんが、い草を作る人の思いを知ったとき、い草の奥深さに気付いたとき、畳のあるその空間は唯一無二の存在となります。
具体的には、呼吸を大事にした暮らしを実践しています:
- まず、禅、読書、ヨガ、体幹トレーニングなど
- そして、最強のミラクルモーニングメソッドを毎朝実践
- 最後に、終わったらゴロゴロしています
食事と畳の関係
また、朝ごはんはひとさじのマヌカハニーとお水。時々蕎麦茶を飲みます。
一方で、お昼休憩取れる時は靴下脱いで、畳に座り、ざる蕎麦食べて扇風機に「ああああああ〜〜〜」って言います。
さらに、夜は風呂上がり用もなく畳の上を歩いています。サラサラ気持ちいいからです。
日本古来の知恵とSDGs
伝統的な暮らしの価値
畳のある暮らし、自然と在る暮らしと銘じて、頂いたこの人生をその伝導に捧げるつもりです。
実は、日本にあった暮らしはSDGsの前からSDGsでした。
また、日本の最大課題、ジェンダー平等も素敵な家族はやってました。
大切なものを失う前に
やってたというより当たり前のことだからって感じです。
確かに、失って初めて気づく大切さってあると思います。
しかし、畳(自然)と家族と健康は失う前に気づいた方がいいです。間違いなく。
まとめ:自然との調和
そう考えると、僕は森へ行きたくなりました。
森に行きたくなったので、森へ行きます。
それが出来る今って最高でしょ?
結論として、天然表と化学表の畳は、それぞれ異なる価値を持っています。
ただし、本当の畳の価値は、自然との調和にあると確信しています。
最後に、ほっこりしていただけたでしょうか。
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