産地礼賛2020新春 後編

『欲しがってんなー。俺。』

想像以上に国東から八代までは遠く、別府湾、由布岳、筑後平野に阿蘇山、八代平野そしてい草。

今回色んな素敵な自然を感じながらの道中色んな事を考えました。(言わば禅問答的な)

その時間の中でものすごく感じたのは

『欲しがってんなー。俺。』ということでした。

またそれと同じくらいで感謝していました。

誤解の無いよう初めに言っておきますが、

僕は宗教者でもないし、カウンセラーでもない。心理学者でもありません。

ただ一人の人。

たかが畳屋。

されど畳屋です。

うりゃーー

足知

”足るを知る”という言葉があります。

語源は、老子(ろうし:中国の思想家)の「知足者富」という言葉です。
── 足るを知る者は富む、という意味です。

「富む」といってもお金持ちになると言う意味ではなく、

幸せになれると言う方がイメージに近いでしょう。

── 足るを知る人は幸せになれる。

では、「足るを知る」とはどういう意味でしょう?

「無いもの」「不足しているもの」に注目するのではなく、「足りてるもの」「すでにあるもの」に注目するという意味です。
そうすれば幸せになれると老子は説いたのです。

甲本ヒロトさんも言っています。

「幸せを手に入れるんじゃない

幸せになれる心を手に入れるんじゃ〜」って(すごく好きな言葉)

足りている事を知る。

日本はいまモノが溢れています。

これ、要ります?ってモノばかり。

結果、年間2842万トンの食品廃棄物、うち食物ロスは646万トン

食物ロスの内訳は事業系約357万トン、家庭系約289万トン

これは平成27年度推計消費者庁の出した数値ですが、とんでもない数字です。

もう想像すら出来ません。

でもその中で国連は貧困、飢餓を一つの大きな問題としている。

一方では余り、一歩では足りない。大きな矛盾が世界にあるんです。

数値はいま検索したものですが、SDGsをしっかり事業展開の目印として見据えていこうとする今、

僕らの”あたりまえ”を大きく見直していくのが必要だと思うのです。

という考えをベースに文頭の禅問答に至るわけです。(長くてすいません)

すなわち新しく作るのではなく、

今あるものを楽しく使う術(すべ)を知ろう。

ってな訳です。(まずは僕が)

はい。前置きがすごく重く長いですがここからが産地礼賛の後編です。

前編をご覧になっていない方はこちらからどうぞ

https://sano-tatamiya.com/5645/

土曜日の夜、意外に早い解散だったので、

本を片手に一人居酒屋をし(もちろん完食)

その日は就寝。

次の日(日曜日)

朝、珈琲が飲みたいと朝カフェを検索するも近くには無く、(わが町もですがここがいつも残念)

散歩もしたかったので、少し遠めのコンビニまでドラクエウォーク。

ホテルに戻り、シャワーを浴び、窓を開け、夫婦共々最近契約していることに気づいたAmazonミュージックで、お気に入りの音楽を流してからの思い出しブログ。

音楽が相まってか、年のせいか、妙に泣きそうになりながらブログ(産地礼讃前編)を書き、

草野さんのところへ。

「佐野くんに見せたいものがある」と見せてくれた畳表は、もう人生理念と日々の思いが詰まったまさに草野ブランドで、お昼ご飯までご馳走になりながらのトーク。

足るを知るという話。

禅の話。

い草の話。

生きるという話。

感謝という話。

草野さんの人格はもう哲学そのもので本当に輝いていました。

そうしているうちに、倉井さんたちお仲間が集まってきて、

農家4人+畳屋1人の現地検討会。

前のブログにも書きましたが、来週予定だったものを、僕のために今日にしてくれたんです。

(マジ感謝っす)

い草を一株掘り起こし、根っこを見たり、匂いを嗅いだり、色だったり、はかまの部分だったり

見ながら話す。

ぶっちゃけます。

専門用語と方言でほぼ何言ってるかわかりませんでした。(笑)

ただ分かったのは、

い草とい草農家さんの根っこの部分。(何気にうまいし、ここが知りたかった)

あのね。

方言でよくわからないし、みんな笑ってるのでつられて笑ってますが、

本当に不安定な一面の話だったり、い草市場の話だったり、

正直笑ってる場合じゃ無いような気もする話だったのですが、笑ってる。

ここに農家さんの強さと優しさの真髄を見ました。

楽観的というだけじゃない、

まさに足るを知っている感じなんです。

だから笑う。

周りの仲間はい草をやめて野菜を作りはじめた。

その仲間の気持ちもわかるし、裏切りものーなんて微塵も思っていない感じ。

ただただ人生をかけてい草を作る。一生懸命に。

税理士に言われるらしい。

「もっと頑張らないと」

って。(もちろん数字的意味で)

「頑張っとんやけどな-」って笑ってる。

父が農業やっている僕は少しだけわかる。

生産業の頑張るは意味が全く違う。

自然が相手だからだ。

頑張って生産性を上げるとかの次元ではない。

もちろん研究、探求、追求で改善される部分も多々あると思うけど、

結局は自然あってのものなんです。

だからこそ類を見ないほどの価値がある。(と僕は思ってる)

本当に感謝しかない。

道中で感じていた感謝の部分はここ。

こんな僕を笑顔で受け入れてくださる生産者さんたちに本当に、本当に感謝なんです。

だって買い付けに行ったわけでもない。

イベントに参加したわけでもない。

はたからみれば「何しに来たの?」ってこんな僕をです。

淵野さん、

草野さん、倉井さん、

現地検討会では、三井さん、瀬海さん。

本当にありがとうございました。

お土産も実家からの仕送りかぐらいいただき、

今日のブログは七島イの香りの中で幸せに書けています。

最後にまとめて写真貼っときます。

小田和正さんの「言葉にできない」を聴きながらどうぞ。

一本一本魂を織り込んでいく

ここが人生の職場

かじかんだ手を温めながら、深く深く

自然と人の産物は本当に五感にビンビンきます

い草も人もしなりが重要だ。

存在感がすごい

日々のこと教えてもらいました

切磋琢磨、人もい草も根っこが大事

一本一本の個性の塊

作る責任、使う責任

届く。きっと届く

最高に輝いてるぜ

最高にカッコいいぜ

皆さん本当にありがとうございました。

い草は循環型

目指す世界は循環型世界

畳をつくる。未来をつくる。

ほっこりしようぜ

おしまい

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