
畳で森をつくるのです①
[2021年7月10日 17時40分]
畳やい草を使って森を作る?一見不思議に思えるかもしれませんが、このプロジェクトでは古畳のリサイクルから始まり、循環型の森づくりを目指しています。畳屋だからこそできる、サステナブルな取り組みをご紹介します。
畳屋が森を作る?持続可能なリサイクルへの挑戦
このブログは、私たち畳屋が「畳の森-tatami forest-」という10年スパンのプロジェクトについてお伝えするシリーズです。まず最初に、なぜ畳屋が森づくりに取り組むのか?という疑問が浮かぶかもしれません。畳とい草と森、一見関係なさそうなこれらの要素が、実は深く結びついているのです。
なお、私は情熱のみのほっこり野郎ですから、ぜひ畳や森づくりについてあなたのお知恵を貸していただけると嬉しいです。
古畳とい草の新たな命:未来事業部の取り組み
実は、昨年10月に「未来事業部」という部署(基本一人芝居ですが)を立ち上げました。そこで、古畳の解体という新たな取り組みを始めたのです。畳の解体は、森づくりの第一歩なのです。
現在までに、約200枚の畳を解体しました。さらに、この畳解体作業にはバイトに困っていた学生さんにも協力してもらっています(ただし、夏場は活動休止中)。
い草と畳の素材を活かす二次利用の方法
次に、私たちは解体した畳を素材ごとに分け、以下のように再利用しています:
- 稲藁の活用法:具体的には、畑のマルチング材として使用し、将来的には森の土壌づくりに貢献
- 古いい草ござの再利用:一方で、干物を干したり、遊びの敷物として人気があります。い草の香りは森の香りにも似た自然の癒しを提供します
- フォーム材の再利用:それから、工房の断熱材として使用したり、専用リサイクル袋に入れてメーカーに返還
- したがって、これらは溶かして型に入れ、再度固めて使うことができるそうです
- 畳ヘリの新しい使い道:そして、農家の方が作物を結ぶのに使うと、かなり人気があります。畳の一部が森のような自然の中で再び活躍するのです
しかしながら、ボード材の再利用先がまだ見つからず困っています。そのため、どなたかいいアイデアがあれば、ぜひ教えてください。
森づくりのための三次利用:い草と畳の堆肥化
その上、二次利用が難しいほどボロボロになった畳素材は、細かく切ってコンポストで堆肥化します。言い換えれば、この三次利用で「え?ゴミってなんですか?」という状態を目指しています。つまり、これこそが私たちの畳と森を繋ぐミッションなのです。
それゆえ、この堆肥化した良質な土を使って、工房の裏にある1000坪もの土地を森にしたいと考えています。確かに、この土地はこれまで十分に活用できていませんでしたが、い草と畳の力で豊かな森に変えていきます。
「畳の森プロジェクト」が目指すもの
実際のところ、私は森が大好きなのです。言わば、「のりたろー」改め「モリタロー」になってもいいぐらい森が好きです。このように、これが「畳の森プロジェクト」の概要です。い草と畳の循環から森が生まれる、そんな壮大なプロジェクトなのです。
い草と畳の堆肥化における課題
すでに実践段階に入っているため、多くの課題が浮上しています。特に、現時点での大きな課題は次の通りです:
二次利用できる畳素材はなんとか活用できていますが、単に積み重ねて放置するだけでは稲藁やい草の発酵が進みません(当然ですね)。要するに、三次利用(稲藁、い草の堆肥化)が進まず、このまま無理に森や農地化しようとしても、すぐに限界がきてしまいます。
微生物の力を借りた解決策
そこで、解決策として微生物の力を借りることにしました。具体的には、アジアンマーケットの安武さんのアドバイスを受け、ダンボールコンポストでの実験を開始しています。これにより、い草と畳の素材から森の土壌が生まれていくのです。
畳から森へ:10年計画の展望
このように、ダンボールという小さな世界から始めて、少しずつ規模を拡大し、最終的には、10年後に本格的な森の完成を目指します。い草から始まり、畳として使われ、そして森へと還っていく、この自然のサイクルが私たちのビジョンです。
もちろん、山あり谷あり(森だけに!)の道のりになるでしょう。ただし、桜井さんも言っていました。「高ければ高い壁の方が登った時気持ち良いもんなぁ」と。(つまり、これは名曲「終わりなき旅」の歌詞ですね)
畳の森で実現したい未来の風景
完成した畳の森では、次のようなことを楽しみたいと思っています:
- まず、木陰でお昼ご飯を食べる
- 次に、ハンモックでのんびり休む
- また、野点でお茶を楽しむ
- それから、い草のござを持っていってお昼寝する(い草と森の香りに包まれて)
- さらに、月一回の森ヨガイベントを開催する
- 最後に、子どもたちと「だるまさんが転んだ」で遊ぶ
気候変動と畳の森プロジェクトの意義
以上の目標に向けて、今できることを一つずつ積み重ねていきます。とりわけ重要なのは、気候変動や温暖化が進行すれば、子どもたちの未来はおろか、森ヨガすらできなくなってしまうという現実です。結果として、世界は本当に危機的状況になりかねません。畳とい草の循環型リサイクルは、小さいながらもこの問題への取り組みなのです。
そんな理由から、佐野疊屋未来事業部は、これからもさらに頑張っていきます。
い草と畳と森の未来:あなたの協力を待っています
最初にお伝えした通り、このブログは「ボクとい草の物語」と同様にシリーズ化します。言うまでもなく、畳の森プロジェクトの進捗を見ながら、アドバイスやお手伝いをいただければ、これ以上なく嬉しいです。
すなわち、自然とい草をこよなく愛する「のりたろー」と佐野疊屋を、今後ともよろしくお願いします。い草から畳、そして森へ。この循環を一緒に作り上げていきましょう。
現在の進捗状況:コンポストと畳解体
2021年7月10日現在、畳の森プロジェクトはこのような状況です。特に、写真は撮影したばかりのダンボールコンポストと、畳の解体作業の様子です。換言すれば、い草と稲藁が少しずつ分解され始め、新しい森の命を育む準備が整いつつあります。
共に創る未来の森
要するに、共に「畳の森プロジェクト」を進めていきましょう!い草と畳の力で、未来の森をつくる。その日を夢見て。
ほっこりしようぜ
おしまい
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