飯塚市にお住まいのみなさん。自然素材の畳をお求めの方に。畳の表替えなら国産畳専門の佐野畳屋へ

新調した国産い草香る畳

こんにちは！のりたろーです。

まず自己紹介させてください。僕は畳の原料であるい草が大好きすぎて、個人的には熊本畳応援団に選ばれたり。お店としても熊本畳表応援店に選ばれたりしています。現在も定期的に産地八代に足を運び、生産者さんたちとお話ししながら見て触って勉強中です。

また、以前は若手が「職人なめんな」的な風潮が強かったので、ただまっすぐ畳を好きなように表現するために「畳一級技能士」という国家資格も取得しました。今も現役バリバリの自然大好き進行系の畳屋です！！

なぜ今年の夏はカビ予防が特に重要なのか？

このブログは”畳のカビ対策は予防が大事“というタイトルです。
北九州大学でい草を研究されている森田教授のカビの講義も何度も聞いた上で、2020年の夏はこれまで以上にカビ予防に注力して対策すべきだと考えています。

理由は一つです。 「コロナの影響でエタノールがないから（また高いから）」です。

カビ発生の実例から学ぶ：よくある失敗パターン

まずこんな話を聞いてください。

Aさんは40代女性、4人家族で夫婦共働き。Aさんの家は昔ながらの設計で、床の間と仏壇がある御座敷が単独にあり、また近くに池があります。お縁に座り池を眺められる最高のロケーションです。

ただ普段はお座敷を使う頻度は少なく、毎朝ご先祖様に挨拶に行くくらいで、法事などの時にしか使いませんでした。

その年は法事があるため畳替えをしましたが、お手入れ方法は特に気にせず、畳屋さんも特に説明しませんでした。

普段、Aさんが仕事から帰るのは夕方6時過ぎ。ある朝、いつものようにお座敷に行くと、テーブルの下に白いワタのようなものが見えました。しかし朝の忙しさで、そのままにしておきました。

その週の日曜日、お座敷に行ってみると、先日まで白かったところが黒くコケが生えたようになっていました。カビ臭い匂いもします。

「カビだ！」

Aさんは慌てて雑巾を固く絞り、拭き上げました。カビは取れましたが、なんだかジメジメしていて、まだカビ臭い。まあい草は吸湿効果があると聞いたし、そのうち乾くだろうと様子を見ることにしました。

そして次の朝、お座敷に行ってみると、今度はびっしりとカビが生えていました。

この話は経験談を交えて作ったフィクションですが、超あるある話です。

どこが問題だったのか？

この話、どこがいけなかったと思いますか？

そうなんです。正しい知識と正しい対処法ができていれば、こうはならなかったですし、カビがびっしりになる前に防げていました。

今はしっかりカビ対策資料とともに説明してくれる畳屋さんも増えてきましたが、まだまだ職人の世界では「てやんでえ。畳屋は畳を変えるのが仕事でえ」的な方も多いのが現実です。

このブログは、そんな”腕はいいけど知識とかは教えてくれない”畳屋さんに畳替えをしてもらった方のために、そして梅雨前ということもあり、また今年はエタノールの品薄が予想されるため書きました。

知っておきたい畳のカビの5つの怖さ

まず押さえておきたいのは、畳のカビ対策は予防段階なら5分くらいで終わりほぼ無料なのに、いったん激しく生えてしまうとその何十倍、何百倍もの予算と時間を要してしまうということです。

そして畳に生えるカビには5つの怖さがあります：

1. 香りが変わる
2. 色が変わる
3. 肌触りが変わる
4. 体に悪い（有毒性はないが、アレルギー等）
5. 虫を呼び込む

さらにカビを成長させてしまうとエタノールが必要となるので、今年は特に予防法を覚えていただきたいです。

畳にカビが生える4つの原因

では具体的に入っていきましょう。新しい畳にカビが生える原因は4つあります。そもそもなぜ畳にカビが生えるのか？そこを押さえなければ対策はできません。

原因は以下の4つです：

• 空気
• 栄養素
• 温度
• 水分

逆に言えば、この4つさえ対策できればカビはほぼ抑えられるということになります。

一つずつ考えてみましょう

1. 空気 – これは物理的に無理です。「今日から真空を目指すぞ」なんて言ったら死んでしまいます（笑）
2. 栄養素 – 畳表の原料であるい草は元々、緑黄色野菜に分類され栄養素が非常に高いです。特に新しい青いうちは非常に高く、だから新しいうちはカビが生えやすいと言われているのです。でもい草の栄養はまさに自然の恩恵で、い草の最高たる部分なので抑えるわけにいきませんし、抑えたくありません。 ※ちなみに和紙表やビニール表にカビが生えにくいのは栄養素がないからです。

ということは…

カビ対策のカギは温度と湿度の管理

つまり、温度と水分を抑える方法を考えていく必要があります。では温度、湿度は具体的にどのくらいの数値を目安にしたらいいのでしょうか？

ずばり

• 温度は25度以下
• 湿度は50％以下を目指しましょう

その理由

• 温度は25度くらいからカビの成長を促します
• 湿度は70％以下でカビの発育を抑え、50％以下だとほぼ生えないという研究結果が出ているからです

ここだけです！この条件だけ守ればカビの生え方は全く違いますので、ぜひ実践してください。

カビ予防に効果的な4つの道具

あくまで湿気と温度が高い時期からの対策ですが、カビ予防に有効なおすすめの道具として4つを紹介します：

1. エアコン

温度も湿度も下げられるので非常に有効です。 ※普段みんなが居るリビングの畳にカビが生えにくいのは、リビングではエアコンをつけているからだったりします。

2. 除湿機

温度こそ下げてくれませんが湿度は下げてくれますし、経済的にも環境的にもおすすめです。 ただし除湿機に溜まった水を交換する際、ひっくり返さないようにお願いします（笑）

3. 扇風機

空気が滞留しているところにカビが生えやすいので、畳の表面の空気を流してあげるイメージで使うと効果的です。 また除湿機との併用は大変有効ですので、畳の間にエアコンがない方で、湿気が多いと感じる場合はこの方法をおすすめします。

4. 掃除機

普段の畳のメンテナンスとしては断然ホウキをおすすめしていますが、この時期に限り掃除機をおすすめします。 理由は、ホウキだとカビ菌が舞い上がるだけで除去は難しいからです。 こまめに畳の目に沿って優しく表面だけを撫でるようにかけてあげてください。ガシャガシャかけたりルンバは畳の劣化を招くのでご注意ください！

効果的なカビ対策のまとめ

畳のカビ予防をまとめると：

• 温度25度以下（高くても30度以下）
• 湿度50％以下（高くても70％以下）
• 扇風機で畳表面の空気を流す
• こまめに愛を持って掃除機をかける

これを実践すれば完璧です！！！

実例：カビ知らずの我が家の場合

私の家は築6年の平家で、畳の間は2部屋あります。一つは寝室、もう一つはまだあまり使っていない部屋（子供たちが大きくなったら私が寝る予定）です。

我が家は24時間換気システムが稼働しており、いつも寝ている畳の間も、たまにしか行かない畳の間も、ほぼカビが生えたことがありません。

何年か前に使わない畳部屋の隅にある衣装ケースの下に微量のカビを発見しました。
たださっと掃除機をかけてそれきりです。
今もたまに掃除機をかける程度で、いい感じのサラサラ感を保っています。換気がものすごく大事で有効だと身をもって知った実例です。

最後に：畳の魅力再発見

「畳って色んな効能があって良いって聞くけど、なんだか野暮ったいし、お手入れとか大変なんでしょ？」

そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。裏を返せば「おしゃれでお手入れも簡単」となれば、畳に変わるものは世界にもないと考えています。

畳縁に様々なデザインがあったり、ヘリなし畳などおしゃれな空間にもなり得るという話もおいおいしていきます。
僕がおすすめする天然い草を使った畳はメリットがものすごくある一方で、デメリットとして環境によってはカビが生えてしまうことがあります。

ぜひこのブログを通じて、最高の状態で畳を楽しんでいただけるきっかけになれば本望です！

長文、最後まで読んでいただきありがとうございました。

動画でさらに詳しく！

実はこのブログは近日公開予定のYouTube動画の台本です。このブログが少しでも役立ったという方。掃除方法など画像で見たい方。これから畳を通じて暮らしや人生を豊かに楽しめるような動画を撮っていく予定ですので、ぜひYouTubeチャンネルを登録してください。またブログもブックマークしていただけると嬉しいです。

PVのリンクはこちら↓

それではまた書きます。

い草サイコーーーーー

ほっこりしようぜ

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