”畳の向こう側”
を知ることで、
暮らしの中にヒョンと豊かな時間がもたらされることがあるんじゃなかろうか?
いや、きっとある。
だってボクがそうだったのだから!
といわけで、い草大好き畳屋として何をしたら良いのかと
考えた結果、い草の産地のことをもっと伝えることが一番なんじゃないか?
もっと言えば、”産地に根付く鼓動”
と”畳のある暮らし”
をつなぐことが
僕の役割りだと思っています。
“作業工程が表のテーマなら
その作業への『在り方』が裏テーマである”
というわけでい草産地で4月頃に行われる
”先刈り”
という風景をその意味と同時に取材、撮影させていただいたので
そのことをブログに記したいと思います。(YouTubeもお楽しみに)
うんうん。
で、
先刈りって何???
早速はてながてんこ盛りですww
かくいう僕も幾度となく訪れさせていただいてる産地ですが
先刈りをリアルで見るのは初めて。
というのも時期が4月中旬〜下旬、GWくらいなので
畳つくりも重なり中々行けずにおりました(言い訳)
その時期というのには意味があり、
い草、お米以外はあまり知らないのですが、農作物は収穫から逆算していろんな
作業工程の日程を決めていきます(もちろん天候次第で前後しますが)
今回取材した先刈りは収穫(刈取り)の50日〜40日で行われるとのことでした。
ではそもそも何故、先刈りをするのでしょうか?
先刈りの目的
1 先端をカットすることで地表面に日光が当てて地温を上げ、出芽を促進する
2 先端をカットすることで、新芽に栄養を転流させ新芽の成長を促進する
3 い草に適度な危機感を与え子孫繁栄を促す 3 は少し人間の怖さもありますがい草が”植物”で生きているって感じがします ライオンの親は息子を崖から落とす的な。。
まあそんなわけでの先刈りなわけですが、
まずい草の仕組みを知らないとちょっと意味がわかんねぇっす
って感じですよね。
い草の仕組みはどこかでガツンと書きたいんですが、今回は超ざっくりと
”先刈りの目的”を読んでもらった方なら何となくイメージつくと思うのですが、仕組みとはまた違うかもしれませんが、
撮影時(4月30日)に見えているい草は基本畳表にはなりません。
え?何で?
ってなりますよね。
僕もなります。
ちょっと写真ではわかりづらいんですが、
この赤丸で囲んだまだ小さい芽たちが収穫時(6月中旬から7月中旬)には150センチ〜160センチになって収穫され、高級畳表の素材となって行きます。(というかそういう風に育てます)
話を戻すとこの子らを成長させるために先刈りをするんです。
目的もう一度載せときます
先刈りの目的
1 先端をカットすることで地表面に日光が当てて地温を上げ、出芽を促進する
2 先端をカットすることで、新芽に栄養を転流させ新芽の成長を促進する
3 い草に適度な危機感を与え子孫繁栄を促す そうなんです。今見えているい草たちはその子らの育て役 決して自分たちは表舞台には立たない。 「よっしゃーー!やったるでぇー」っという矢先に 刈られ、よって選別にも選ばれず、 仮に選ばれたとしても決していい素材とは呼ばれず 土に還っていく先人。
なんてドラマだ、い草社会。 切なすぎる。 今、皆さんがご愛用いただいている畳は、そんな先人、いや先い草たちが、日の目を見ることのない役となりその上に成り立っている畳です。 僕は産地の素敵な生産者さんとそんない草の物語を伝えたい! 布団から足や手を出し、畳の凸凹をすりすりしながら、 ふと思い出した時
「畳っていいなぁーー」
ってなっていただけるように今後も頑張ります!! さあ。愛しておくれ。
『畳のある暮らし』
以上 い草のお便り〜先がり編〜でした この様子は近日YouTubeでもアップしますんで、よかったらチャンネル登録をして 他の動画もご覧いただきながら応援いただけると幸いです。 「僕のこと好きにならなくてもい草のこと好きになってください!!」 ほっこりしようぜ おしまい