
畳で森をつくるのです③
[2022年1月20日 19時31分]
畳を通じて自然との循環を目指す「畳で森を作る」プロジェクト。今回は、古畳を解体して土に還し、英彦山の豊かな自然に貢献した実践例をご紹介します。畳屋だからこそできる持続可能な取り組みのひとつです。
畳で森を作る10年計画とは?
このブログは、私たち畳屋が推進する「畳で森を作る」という10年スパンのシリーズ企画です。しかし、「いったいどうやって畳から森を?」と疑問に思われる方も多いでしょう。
具体的には、古畳を丁寧に解体し、出た素材を堆肥に戻し、それを土台に植林していくという循環型のプロジェクトです!なお、企画者の私は情熱先行型のほっこり野郎ですから、ぜひお知恵を貸してくださいね。

番外編:英彦山の守静坊で畳を森に還す
さて、今日のブログは「畳で森プロジェクト」の番外編とも言えるお話です。英彦山の守静坊(しゅじょうぼう)という元宿坊の蘇生プロジェクトに畳屋として携わることになり、そこで初めて訪れた時の体験をお伝えします。
言い換えれば、今回は「畳で森をつくる」というより「畳を森にお返しした。」というストーリーなのです。
古畳との運命的な出会い
守静坊さんに初めて訪れたのは2022年1月5日のことでした(実は初めてではなかったのですが)。その時、ふと目にとまったのは瓦礫の下に積み重ねられた古畳でした。

以前から「古畳を焼却や埋め立てではなく、解体して土に返すことで、畳を未来に誇れるものにする。」と意気込んでいた私にとって、この畳の処遇は気になって仕方ありませんでした。
今回は特に古畳処理のご依頼はなかったのですが、寝ても覚めてもあの畳が気になります。そこで一つのアイデアが浮かびました。
自然に畳を還す発想
「最近、カッター一本で畳を裁断する動画を撮ったな。あそこは山の中だし…」
そうか!ということは、あの場所で解体し、出た稲藁やい草の端切れは英彦山の山にお返ししたらいいのでは?

現在アルバイトに来てもらっている若者と一緒に行けば、その子にとっても良い経験になる。そして、なんだかいぶし銀な感じがする。よし、提案してみよう!
英彦山での古畳解体プロジェクト
こうして、ラインで提案したところ即座にOKをいただき、一週間後の12日に決行することになりました。

実際には非常に大変な作業でした。しかし、雪が残る英彦山での解体作業は凛とした空気が心地よく、とても貴重な体験になりました。そこでご馳走になったおにぎりは何事にも代えられないほど美味しく、大工さんからいただいたホットコーヒーは心まで温まる暖かさでした。
アルバイトのH君とも「気持ちいいね!」と話しながら、終始和やかに畳を解体していきました。17年ほど畳屋をやっていますが、凍った畳を切ったのは初めての経験でした(笑)。
稲藁と畳が森に還る瞬間
そして、解体後に出た稲藁はご亭主の提案ですぐそばにある枝垂れ桜の木の下に広げました。写真はありませんが、近日YouTubeにアップする予定です。今から春が楽しみでなりません。

実は3〜4年前、この桜の木を見に来たことがあったのです(その時は守静坊さんには気づきませんでしたが)。不思議な縁を感じずにはいられません。
畳と自然の循環から学ぶこと
この体験を通して改めて感じたのは、「海を綺麗にしたいのであれば山を綺麗にする必要がある。環境問題を改善したいのであれば、何よりもまず生活を正す必要がある。」ということです。
麓の生活で使い、敷物としてのお役目を終えた畳を解体し、土にお返しする。そうやって山に感謝し整えていくことは、海だけでなく心も綺麗にしてくれるようでした。
「その場所」で畳を解体し自然に還す試み
「畳で森をつくる」プロジェクトはまだ始まったばかりです。しかし、時にはこんなふうに「その場所」で解体し、お返しするのも素敵だと思いました。
自然はやっぱり美しい。そして、畳を通じてその自然と繋がることができる喜びを感じた1日でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ほっこりしようぜ
おしまい
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