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い草農家さんとツーショット

い草刈り体験記〜畳の向こう側を知る特別な一日〜

[2025年6月25日 15時57分]

い草刈りの季節がやってきた

夏の暑い日差しの中、い草刈り作業が続きました。ここは歴史あるい草産地。長い文化が根付いているこの土地では、い草刈りの時期になると特別な光景が広がります。

そんな中、この時期だけ営業する仕出し屋さんが登場します。事前に個数を伝えておけば、お昼ご飯を田んぼまで配達してくれるのです。

生産者こだわりの昼食時間

お昼ご飯は特別でした。まず、生産者さん自らが作ったお米を炊き上げたご飯。そして、そのお米で作った味噌を使ったお味噌汁。まさに、い草農家の心のこもった手作り料理です。

食べ終えた後、生産者さんが「少し昼寝をしませんか」と提案してくださいました。しかし、い草の話が盛り上がりすぎて、気がつけば昼寝時間は終了していました(笑)。

午後のい草刈り作業再開

お昼休みを終え、再び田んぼへ向かいます。朝5時から正午まで、すでに7時間も働いていました。

前半は作業の種類も多く、一体何をしたら良いのかよくわからないまま、お邪魔させていただいておりました。しかし、後半はようやく私の役割が定まってきたのです。

ハーベスタを使ったい草の移し替え作業

私のメインの仕事は、ハーベスタというい草刈り専用機械での作業でした。
具体的には、束にまとまったい草をハーベスタから降ろし、泥染と乾燥を行う大きなバケットに移す作業です。

その作業量は想像以上でした。一束約5キロに結束されたい草を、1バケットに208束ずつ丁寧に移し替えます。さらに、それが8バケット分!本当に大変な作業でした。

い草を刈り取る機械

い草を刈り取る専用のハーベスタ

い草作業の厳しさと注意点

この作業は、一束一束はそれほど重くありません。しかし、綺麗に移し替えていくには、意外と力と精神力が必要でした。次から次へと運ばれてくるため、腕と腰はパンパンになります。

また、い草と肌が触れ合うと、い草が肌にくっついて束が乱れてしまいます。そのため、常に長袖での作業が必要です。さらに、梅雨時で雨だったのでカッパを着用。汗と雨水でジュクジュクの状態でした。

い草刈りの様子

約1年3カ月を要するい草の収穫であるい草刈り

い草刈りの感想を俳句で表現

「手足パンパン身はジュクジュク心はピカピカ踊ってる」

い草刈りの感想を俳句調で表現するなら、まさにこんな感じです。

草野さんから学んだい草の哲学

作業中、草野さんは様々な作業をこなしていました。外した網を畳んだり、満タンになったバケットをフォークリフトで運んだり、トラブルが起きたら対処したり。

そんな中、タイミングが合えば私の持ち場にも来てくださいます。その時、い草刈りの一つ一つの作業で感じていることを話してくれました。

「い草は鏡。」という深い言葉

「い草は鏡なんだよ。」

「い草は育てる人の心や手間ひまを正直に映し出すんだ!だからモノづくりはヒトづくりなんだよ!」

この言葉に、私は雷が落ちたような衝撃を受けました。

収穫したい草を洗う様子

収穫したい草に付着した泥などを落とす様子

畳づくりの真髄を理解した瞬間

いい畳を作るには、いい人間でなければならない。い草づくりも畳づくりも、結局は人を育てる仕事なのだと、その言葉に教えられました。

畳を作って皆さんの家にお届けするのを仕事としている畳屋の私は、まさにこの「畳の向こう側」を畳づくりに込めなくてはいけません。

生産者の哲学を次世代へ

生産者の皆さんが積み上げ、磨いてきた哲学を埋もれさせて終わらせるわけにはいかない!と心底感じました。

同時に、このことを知らずに今まで畳屋をやっていたことを猛省しました。畳を単なる物として売っていた自分を改める必要がありました。

一日の作業終了と達成感

午後5時30分、一日の作業を終える頃には、全身汗まみれで足腰も悲鳴を上げていました。しかし、心地よい疲労感と達成感がありました。

そして何より、い草や生産者さんに対する感謝の気持ちがより強く芽生えていました。

感謝の気持ちを込めて

「ありがとうございました」と伝えると、草野さんは笑顔で答えてくれました。

「こっちこそ本当にありがとう!いつもは20時頃に平気でなるのに、早く終われて助かったよ」

最後まで働く生産者の姿

私が車に乗り、その場を後にする頃、ひとしきり手を振ってくれた草野さんご夫婦は田んぼに戻りました。そして、網を張っていた杭を綺麗に片付け始めたのです。

「まだ働くんだ」と申し訳ない気持ちになったのを覚えています。

最高のご褒美 – ビールと焼肉

ホテルに戻り、シャワーを浴びた後のご褒美は格別でした。お世話になった村上さんがご馳走してくれたビールと焼肉の美味しさは、今でも忘れられません。

未来への決意

今度は、このい草の物語を世界に広めてから、草野さん達を招待したいと思います。そして、感謝の乾杯をしたい!

そう決意した2013年夏、初めてのい草刈り体験でした。本当に、ほっこりする素晴らしい体験でした。


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