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琉球畳

本物の琉球畳との出会い:七島藺が織りなす伝統と文化

[2016年4月7日 20時51分]

優しさ。天然物。自然の恩恵。そしてそれを取り巻く関連メーカーの廃業、撤退、そして後継者問題といった環境。規模は違えどそれはい草と一緒でした。

唯一違ったのは巡り合わせだけなのかもしれません。

七島藺を守る三人の侍

熊本にはい草産地八代で生まれ、い草に誇りを持ち、人生を捧げる侍がいます。

また、大分には出身は佐賀県だが、愛する人が大分県国東半島の生まれで、田舎暮らしにあこがれ、選んだ道が七島藺の生産という男がいました。そしてその方も物腰は柔らかいけど確かな芯が心のなかに燃えるまぎれもなく侍でした。

今日訪ねた大分県国東半島で七島藺を生産し織りあげる”淵野 聡”さん。彼との出会いから、本物の琉球畳について深く知ることになりました。

琉球畳とは何か?真実を知る

琉球畳

い草とは違う荒々しく強い七島藺

 

半畳で縁のない畳を市松敷きに敷くことを琉球畳と呼ぶ方がいます。極端な話し、多分畳業界もそう言っている面があるでしょう。

しかし、正式にはそれは琉球畳ではなく、へりなし畳の市松敷きにすぎないのです。

最近の調査によると、現在市場に出回っている「琉球畳」の多くは、実はい草や樹脂素材で作られたへりなし畳であることがわかっています。本来の琉球畳とは全く異なる素材で作られているのです。

もちろんそれが良いとか悪いとかの意味ではありませんが、七島藺(しちとうい)という草を誇りをもって織っておられる方がいる以上、僕はちゃんと線を引くことにしました。

そうです。琉球畳とは”七島藺”を使った畳のことなのです。い草で作ったもの、ダイケン表で作ったものはへりなし畳なのです。

七島藺と琉球畳の特徴

七島藺は歴史的に深い背景を持っています。「生まれは琉球 育ちは大分」と言われ、江戸初期の豊後の商人がトカラ列島で栽培されていた琉球イを豊後に持ち帰り全国に普及させたことから、この畳表を”琉球表”と呼ぶようになりました。他にも豊後表、青表、七島藺(しっと)などと色々な名前でも呼ばれてきました。

江戸時代、庶民はい草の畳の使用は禁じられ、藁やカヤで出来た筵(むしろ)を使っていましたが、色艶がよく肌触りの良い七島藺の敷物が多く使われるようになりました。七島藺を畳床に縫い付けた畳を琉球畳と呼び、長屋や商家、火に強く耐久性がある為、囲炉裏のある東北、北陸の農家などに使われ、近代では炭鉱の住宅などにも使われていました。また前回の東京オリンピックまでは柔道畳としても全国各地でつかわれていました。

同じ草でも七島藺とい草は特徴が少し違い、手触りも全く異なります。育て方などはい草に類似していますが、七島藺は身の丈180㎝くらいに育てたカヤツリグサという三角の草を、半分に割き乾燥を行います。通常い草では行われる泥染めという作業は七島藺では行われません。

七島藺とい草の違い

実際に見ていただくと、七島藺とい草は全然違います。写真だとわかりにくいですが、実物を見るとその違いは明らかです。

七島藺は、断面が三角形をしているのに対し、い草は丸い形状をしています。この構造の違いが耐久性にも大きく影響しています。

吸湿効果などの効能はさほど変わりませんが、七島藺は耐久性と防火性、荒々しい草感が半端なく、それに比べると、い草は繊細で美しいイメージです。

研究によると、七島藺はい草の約5〜6倍の耐久性を持つとされています。また、七島藺はその丈夫さから柔道畳としても使用され、1964年の東京オリンピックでも採用されました。

七島藺の生産現場

七島藺の生産は、その多くが今も手作業です。大分県国東半島は現在、日本で唯一の七島藺産地となっています。

草の選別、製織、一枚織るのに一日を要すると淵野さんは言います。一年の半分は田んぼ仕事があるので、年間に130枚くらいしか生産できないそうです。そして手を抜けばもう少しは生産可能だとも。

もちろん手は抜きません。手を抜くのなら、わざわざこの道を選ぶことはしないのですから。

七島藺会のホープ淵野聡さんは父親が生産者だったからというわけではなく、むしろ地元佐賀県でのお米作りが嫌で奥さんの地元国東半島でサラリーマンになったのだそうです。

それが今や、脱サラし、100倍はマニアックな琉球表(七島藺)を作っているのですから、巡り合わせとは本当に不思議なものです。

夜、アルバイトをしながらでも、生産に携わり続ける七島藺とは、一体なんなのでしょうか?

琉球畳を体験する機会

4月29日には田川石炭記念公園で開催される沖縄フェスタにぜひいらしてください。特に何も買わなくていいですから、オリオンビール片手に優しい音楽に包まれて、琉球畳に座ったり、寝たりしましょう。

そのとき初めて琉球畳っておもしろい!と感じることができるはずです。

沖縄フェアには琉球畳、い草のヘリなし畳、ダイケン表のヘリなし畳の実物も持っていく予定です。三者が実は手触りも性能も違うことに少し驚くことでしょう。

琉球畳の本当の価値

琉球表は耐久性、風合い、存在感、独特の草感は他に類を見ない逸品です。

特に注目すべきは、七島藺の材料としての特性です。七島藺は、カヤツリグサ科の植物で、通常のい草とは違い断面が三角形です。この特徴が、琉球畳の優れた耐久性と独特の風合いを生み出しています。

手間暇かけて作られる七島藺の畳表は希少価値が高く、年々生産者が減少しています。しかし、その価値は単なる希少性だけではなく、歴史的文化的価値も含んでいます。

男が三人。長靴を履き、田んぼで語る。そんな今日という日を大切に心に刻むことにします。

なんくるないさ。

七島藺と琉球畳の未来

い草、七島藺。どちらも古き良き自然物であり、新しい気づきと癒しを感じさせてくれる超おすすめ素材です。

夜工房に戻ると沖縄の模様を描いた”ちゅらべり”が届いていました。琉球表をへりなしに仕上げるのか?ちゅらべりをつけ、それをまた楽しむのか。

それはもう、お好きにどうぞ(笑)

なんくるないさ

おしまい


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