畳を紡ぐ大作戦①

 

2015年9月初旬、田川市教育委員会から電話があった。

 

しばし動機を考える僕。

考えること2秒(みじかっ)

 

ふと一つの懸念が脳裏に浮かんだんです。

 

「もしや、今になってあれがバレたのか?」

 

 

そう。

 

 

僕がまだ小学生の頃、

 

 

当時教育庁で御法度にすらなったある行事。

 

 

そう。

 

ご明察!!

 

トイレの花子さんを呼んだことがあった。

 

 

場所は忘れたけど、(なんせ4分の1世紀前のこと)

 

何番目かのトイレのドアをノックし、

「はーなこさん。」

 

って呼ぶ、結構ガチで怖いやつだ。

 

 

あの頃ならではの好奇心中心の生活。

(今はもっとそうだが。(笑))

トントン

 

ノックした瞬間、

 

 

 

ガタッ

 

 

掃除道具入れのものが倒れる音がしたんだ。

(マジ)

 

 

うわ っ。花子さんが怒った!!!????

(ノックしたくらいで怒られる筋合いはないが)

 

 

でも、今思えば、あれは男子便所だったから、

待ちきれなくて入った愉快おばちゃん花子のほうだったのかもしれない。

 

 

もちろん走って逃げた。

 

でも、ふと思い出した。

 

噂では走って逃げちゃダメだと言っていた。

 

 

まずい。非常事態発生だ。

 

心のハザード五回点滅。愛してるのサイン。(言ってる場合かっ!!)

 

 

でも結局走っちゃったので、

帰ってばあちゃんに泣きつき、事情を説明。

おバカな行動にも親身になって聞いてくれた優しいおばあちゃん。

 

その夜一緒にお仏壇にお経をあげた。

 

ナムアミダブツ、ナムアミダブツ、

どうか花子さんが怒ってませんように。

 

チーン

 

 

(ばあちゃんは毎日あげていたノーマルタイプ)

 

あれから4分の1世紀。

真相は闇の中に葬られたと思っていたが、

しかし、4分の1世紀が経過した今、教育委員会の耳に入ったのか?

それかもしや、あの時のおばちゃん花子の密告か??

 

 

恐る恐る電話に出た(その間2秒。そう。いわゆる走馬灯ってやつ!!)

 

「もしもし。はい。佐野疊屋です」

 

「どうも。花子です。」

 

 

グワァー

 

ってのは無くて、畳のご依頼でした。

 

あー長かった(笑)

 

そう。4分の1世紀前のピュアなのりたろーのお話。

 

題して

 

『4分の1の純情な感情』

 

 

おしまい

 

 

 

 

って、おしまいじゃねーわ

 

マイケルムーア監督じゃねーわ

 

そう。

 

おはようございます。

前置き長くてすいませんでお馴染み、

 

のりたろーです。名前だけでも憶えて帰って下さい。

 

 

教育委員会からの電話。

 

そう。畳の加工並びに表替えのご依頼。

 

「○○小学校のとある教室の畳なんですが、いくらぐらいしますか?」

 

「何枚でしょうか?」

 

「3枚です。」

 

 

「小学生が使うのですか?」

 

 

「はい。」

 

「じゃあ絶対国産が良いですよ。ってか誰が使うにしろ国産が良いんですけどね。がっはっはー。」

 

「あ、は、はい。」

 

「とにかく、施工は9月末くらいになりますが、そういうことなら、僕、頑張りますよー。

っていつも頑張ってはいるんですけどね!!がっはっはー」

 

「・・・。。」

 

 

と無事交渉は成立。

 

そして迎えた9月30日施工日(ドンピシャ9月末)。

生徒が帰ったPM15:00以降が良いとのことだったので

良い頃合いを見定めて、学校へ。

受付事務員さんにそのことを伝えると、その部屋に案内してくれました。

 

その映像が、これだぁ。 ワン、トゥ、スリー

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ふつう(笑)

 

そして、

事務員さんに質問。

 

「何年生が使っているんですか?」

 

「1年生と3年生ですよ」

 

「男子ですか?」

 

「男女一人ずつですよ」

 

ヒアリングは続く。

 

「花子さんって知ってます?」

 

「知ってますよ。」

 

「ボク小学生のころ呼んだことあるんですよ」

 

「凄いですね、、、で何でですか?」

 

「花子さんですか?」

 

「違います。何で学年とか聞くんですか?」

 

「あーあー。畳の縁をチョイスするのに参考にするためです。」

 

「そんなことしてもらえるんですか?」

 

「まあせっかくなんで好きになってもらいたいじゃないですか」

 

「へーーー。前の畳屋さんはそんなこと聞いてくれませんでしたよ。」

 

「花子さんですか?」

 

「違います。」

 

 

ということで、

花子さんの話は完全に嘘ですが(嘘なんかーい)

、聞き取りヒアリング完了。

 

そしてせかせかと縫着×手作業。

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普段はこの単価ではやらない作業、ってかやれない作業。

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すべては未来を作る少年たちに、良い畳を知ってもらいたい。

い草を知ってもらいたい。

帰って「おかあさん。畳って良いね」って自慢してもらいたい。

 

 

そんなことだけ考えて、

未来へ紡ぐ作業のごとく、針を進めていく。(気持ちと機械が)

 

手縫いするときはいつもそう

色んな事が脳裏を巡る。

 

スラムダンク名言集より①

スラムダンク名言集より⑤

 

スラムダンク名言集より④

スラムダンク名言集より③

 

縁をつけて、

縁(へり)とは”えん”とも読む。

思えば素晴らしい仲間たちにも出会えた。

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愛すべき家族も持てた。。

 

 

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生産者さんたちの思いもいっぱいいっぱい聞けた。

#い草 #天然素材

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今改めて思う。

 

俺、畳屋で良かった!!

本当に。

 

この思いを乗せて、

 

届け。未来に。

 

 

少年よ。大志を抱け。

 

 

少年よ。畳を抱け!!

 

 

少年よ。花子さんはそっとしておけ。

 

そして

 

そんな思いを乗せて、作った畳、

 

敷き込んだ映像が

 

 

 

これだぁ。ワン、トゥ、スリー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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普通やん(笑)

 

 

そう。畳って特別なもんじゃない。

 

いつも日常にさりげなくあるもの。

 

でもふとした瞬間にたまらなく愛おしく思える敷物。

 

床、縁、糸、それらを補助する副資材にそしてい草。

 

色んな思いを紡いで出来たのが、

 

畳。

 

そして色んな思いを紡いでいくのが僕たち畳屋。

 

俺やっぱり、

 

 

 

畳が

 

スラムダンク名言集より⑥

 

 

ほっこりしようぜ

 

 

 

 

おしまい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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