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【連載】手仕事への思い ―― 効率化の時代に、Norigoni(佐野畳屋)が手作業を残す理由

[2026年4月23日 15時46分]

 

産業革命以降、大量生産・大量消費が正義とされ、あらゆるビジネスにおいて「効率化」と「合理化」が正解とされてきたような気がします。

私たちの「畳づくり」においても例外ではありません。

あらゆる場面で機械化が進み、「1日に、1時間に、畳を何枚作れるのか」というスピードや生産効率が、職人の能力として評価される時代になりました。

もちろん、機械化や効率化そのものを否定するつもりはありません。私たちも機械の恩恵を受けています。

しかし最近、私はふと立ち止まって考えるのです。

「その圧倒的な効率化によって、私たちが失いつつある大切なものがあるのでないか?」と。

改めて、手仕事の意味を考えてみたいと思います。

前提としてお伝えしたいのは、畳は私たち畳屋だけで作っているわけではないということです。

土台となる「畳床(たたみどこ)」、表面の「畳表(たたみおもて)」、縁を彩る「畳縁(たたみべり)」。さらに、それらを繋ぐ糸や紙など、全国のたくさんの生産者さんたちの途方もない苦労とリレーがあり、その集大成として1枚の「畳」が出来上がります。

私たち畳屋の仕事は、その生産者さんたちからバトンを受け取り、お客様の家々へ伺うことから始まります。

一つひとつ全く違う部屋の寸法をミリ単位で測り、その空間に合わせたオーダーメイドの畳を仕立てていく。上記で挙げたあらゆる素材を切り、縫い合わせ、最後に部屋へ敷き込むのが私たちの使命です。

1枚の畳を完成させるまでには、大きく分けて以下の10の工程があります。

1. 採寸

2. 床づくり

3. 框縫い(かまちぬい)

4. 幅落とし

5. 平刺し(ひらざし)

6. ヘリおこし

7. 角縫い

8. 返し縫い

9. 仕上げ

10. 敷込(しきこみ)

採寸、敷込以外は、すべての工程を機械で、スピーディに終わらせることも今の時代なら可能です。

しかし、私たちNorigoni(佐野畳屋)には、「どうしてもここだけは、自分たちの『手』でやりたい」とこだわっている4つの工程があります。

それは、以下の4つです。

• 端どめ(※框縫いに含まれる工程)

• い筋通し(いすじとおし)

• 角縫い

• 仕上げ

(※状況によっては、框縫いや返し縫いも手で行うことがあります)

タッカー(ホッチキス)や機械を使えば、今はボタン一つで勝手にやってくれる機械もあります!

その機械を使えば、一日100枚縫うことも可能です。一瞬で終わるかもしれません。

それでも、なぜ私たちはわざわざ時間をかけ、非効率な手仕事を選ぶのか。そこには、「ただの作業(モノ)にしたくない」という私たちの強烈な思いと、お客様の健やかな暮らしへの祈りが込められています。

次回からのブログでは、特にこだわっている4つの手仕事の工程に焦点を当て、私たちがそこにどんな意味を見出し、何を祈りながら手を動かしているのかを、一つずつ紐解いてお伝えしていきたいと思います。

 

ほっこりしようぜ

第1回:「角縫い」編へ続く

 

 

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