
素々然々-sosonennen-18
[2023年1月13日 06時08分]
素々然々(そそねんねん)とは
モノが溢れる現代社会。
私たちの周りには、過剰な装飾やデザインが施された商品があふれています。しかし、素のままであることは、時に心細く感じることもあるでしょう。
それでも、過剰な付加価値ではなく「素のまま」だからこそ、心に寄り添い続けられるモノがあります。
それが、畳であり、い草なのです。
このブログ「素々然々(そそねんねん)」では、私が産地で出会ったい草のこと、人のこと、素の思いを暮らしの中に思い出していただけるよう綴っています。

2023年、新しい年のスタート
改めまして、2023年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
一年一年、時代は確実に変わっていきます。その中で、変わらないものを確かめながら、一歩一歩歩んでいきたいと思います。
次男と迎えた特別な元日
毎年、年越しは家族全員で実家に泊まり、親戚が集まって過ごします。
今年の目覚めは、次男の声でした。
「お父さん、初日の出綺麗やったよ!」
小学二年生、8歳の次男。初めて起きて年を越し、初めて初日の出を見ることができたと、大いに喜んでいました。後日、友達にも自慢していたようです。
それを見て、私もほっこり。そんな新年を無事迎えられたことに、心から感謝しました。

変わりゆく時代の中で感じること
2023年、世間はまだ不穏な空気を漂わせています。
私も例外ではありません。技術革新によって、「当たり前のデフォルト」が変わっていることを日々実感しています。
デジタルなしでは生きられない現代
Wi-Fiやスマートフォンなしの生活。
一日だけなら「たまには良いね」と思えても、二日目にはたまった情報に追われている自分がいます。
- 静かに佇む時間
- 火を見つめながら考え事をする時間
- 不自由さを楽しむ体験
そんな時間を求めて、キャンプが予約でいっぱいになる現代。少し昔の人からすると、信じられない光景なのでしょうね。
畳とい草が教えてくれる「変わらないもの」
変わりゆく時代と対比するならば、変わらないものがあります。
それは「心」です。
幸せでありたいという普遍的な願い
幸せでありたい。
人それぞれ、幸せの形は違います。しかし、幸せでありたいと願う気持ちは変わりません。
2023年は、もっと自分の心はもちろん、人の心を思い大切にできたらと思います。
い草と畳が持つ「素」の力
まさに畳やい草は、この「変わらないもの」を体現している素材です。
い草には、過剰な装飾はありません。ただ、自然のままの姿で、私たちの暮らしに寄り添ってきました。
畳の香りは、何百年も前から日本人の心を癒してきました。この香りの効果は、科学的にも証明されています。
- リラックス効果
- 集中力の向上
- 空気の浄化作用
- 調湿効果
これらは、い草が持つ自然の力。決して人工的に作り出されたものではありません。
産地で出会った人々の思い
私は畳職人として、定期的にい草の産地を訪れます。
そこで出会う生産者の皆さんは、い草と真摯に向き合い続けている方々ばかりです。
い草生産者の素の姿
熊本県八代市など、い草の産地では、家族総出でい草を育てています。
早朝から田んぼに入り、一本一本丁寧に手入れをする姿。そこには、「良いい草を作りたい」という純粋な思いがあります。
過剰な演出も、見栄もありません。ただ、素のままの思いで、い草と向き合っているのです。
そんな生産者の思いを、畳を通して暮らしの中に届けたい。それが、私の願いです。
暮らしの中で畳を見つめ直す
現代の住宅では、畳の部屋が減っています。
しかし、だからこそ、畳の価値を改めて見つめ直す時期に来ているのではないでしょうか。
毎日が発見の暮らし
畳のある暮らしは、毎日が発見の連続です。
- 朝起きたときの畳の香り
- 素足で歩く心地よさ
- 季節によって変わる畳の表情
- 座ったときの適度な弾力
これらは、フローリングでは味わえない、畳ならではの体験です。
い草が育む日本の心
い草と畳は、日本の文化と深く結びついています。
茶道、華道、武道。多くの日本文化は、畳の上で育まれてきました。畳は単なる床材ではなく、日本人の心を育んできた空間なのです。
2023年、心を大切にする一年に
本年の目標は、「心を大切にする」ことです。
自分の心はもちろん、周りの人の心も大切にしたい。そして、目の前の人を最高にハッピーにしたいと思っています。
わくわくするビジョンを描く
毎日を大切に過ごしながら、わくわくするビジョンを描いていきます。
畳職人として、い草の魅力をもっと多くの人に伝えていきたい。産地の生産者と消費者をつなぐ架け橋になりたい。
そんな思いを胸に、2023年も活動していきます。

素のままの畳、素のままの心
素々然々(そそねんねん)。
この言葉には、素のままであることの強さと美しさが込められています。
畳もい草も、余計な装飾は必要ありません。自然のままの姿で、十分に美しく、十分に機能的です。
人の心も同じではないでしょうか。
過剰な演出や見栄ではなく、素のままの心で向き合うこと。それが、本当の幸せにつながるのだと思います。
ほっこりしようぜ
2023年も、皆さんと一緒にほっこりできる時間を大切にしていきます。
畳のある暮らし、い草のある暮らし。それは、心にゆとりを生む暮らしです。
変わりゆく時代の中で、変わらない心を大切に。今年も、一歩一歩前に進んでいきましょう。
おしまい
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