
【畳屋のあり方】工場で作られる畳と、田んぼで育つ畳。
[2026年9月19日 12時34分]
今、畳業界はまさに時代の大転換期にあります。
もっと言えば、「畳の定義」が、それぞれの畳屋によって全く違う時代になってきているのです。
素材が何であれ、畳風に仕上げたら「畳」という名前になり、畳屋が取り扱う。
そこで今、僕たちに最も問われているのは、職人としての「あり方」だと思うのです。
何をもって、何のために畳屋をするのか?
「多様性」や「時代のニーズ」と言えば聞こえは良いかもしれません。
しかし、ご先祖様から脈々と繋がってきた「文化としての畳」と、便利さや真新しさ、デザイン性を追求した「工業的な畳」は、たとえ同じ畳屋が作ったとしても【全く非なるもの】だと思っています。
これは僕個人の単なる「こだわり」ではありません。
「その畳の向こう側に、生産者さんの顔を想像できているか?」
ただそれだけのことのような気もしています。
農産物であり、田んぼの泥の中で育てられ、農家さんの手で織り上がってくる畳。
そして、工場で大量生産されてくる畳。
果たして、これが同じ「畳」として同じ土俵に立って良いのだろうか。僕はそこに強い違和感と危機感を抱いています。
工場で作られる無機質な畳にはない、呼吸するような自然の温かさ。
い草の深い香り、心地よい手触り、擦れるかすかな音。田んぼで育った本物の畳には、そうやって「五感で自然そのものを楽しむ」という圧倒的な豊かさがあります。
家の中にいながら自然に触れ、歳月とともに美しく黄金色へ変化していく。これこそが、僕たちがお客様にお届けしたい「本当の価値」なのです。
もちろん、お客様のライフスタイルによっては、それぞれ合う・合わないがあり、メリット・デメリットがあるのも事実です。
だからこそ、僕たち畳屋や、家づくりに携わる人々が、その素材の特性、文化、成り立ちを深く知り、「本物とは何か」をしっかりと定義して伝えていく責任があると感じています。
今、「畳屋」と言えど、おすすめする商品も、大切にしている素材も、お店によって全く違います。
だからこそ、これから畳替えや新築を考えている皆様には、「この職人は、どういうあり方(哲学)で畳を作っているのか?」を、しっかりと見て、聞いていただきたいのです。
カタログの見た目だけで決めるのではなく、できれば実際のサンプルに直接、手で触れてみてください。
本物のい草に触れたとき、そこからは確かに、泥にまみれながら育ててくれた『農家さんの体温』や、田んぼを照らした『太陽の温もり』が伝わってくるはずです。
その感触や香りを確かめながら、じっくりと打ち合わせを重ねて「あなただけの畳」を選んでほしいと願っています。
僕たちはこれからも、誇りある背景を背負いながら、本物をお届けしていきます
ほっこりしようぜ
おしまい
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