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赤ちゃんと無染土畳

赤ちゃんに優しい畳とは?子育て世代が知っておきたい「無染土い草」の話

[2026年8月26日 11時30分]

はじめに:赤ちゃんが過ごす床、何にこだわっていますか?

赤ちゃんが生まれると、家の中の「床」への意識が変わります。

ハイハイ、寝転び、お昼寝。赤ちゃんは想像以上に床と密着して過ごすからです。

そこで気になるのが、肌に触れるものの安全性。 子育て中の家庭では、赤ちゃんに優しい敷物を探す方が増えています。

そんな中、注目されているのが「無染土い草」という畳表です。 つまり、泥を使わずに仕上げたい草のこと。

本記事では、その特徴と魅力をわかりやすく紹介します。


無染土い草とは?一般的ない草との違い

畳表づくりでは、い草を泥で染める「泥染め」という工程があります。

い草の釜上げ作業

色を整え、乾燥を促すための、昔ながらの技法です。

一方で「無染土い草」は、この泥染めをあえて行いません。 そのため、泥の粒子が畳表に一切残らないのです。

結果として、自然そのままの風合いが残ります。

敏感肌の方や赤ちゃんにも安心して使いやすい畳、

それが無染土い草です。

高品質な国産い草

泥染めという工程を、もう少し詳しく

そもそも泥染めとは、い草を染料と混ぜた泥に浸す工程のこと。

乾燥時のムラを抑え、色合いを均一にする役割があります。

つまり、見た目や品質を安定させるための、昔ながらの知恵です。

そのため一般的な畳表の多くは、今もこの工程を経て作られています。

一方で無染土い草は、あえてこの工程を省きます。

その分、い草そのものの力で仕上げる、手間のかかる製法とも言えます。

無染土い草ならではの特徴

無染土い草の畳表を実際に体感する
  • 泥を使わないため、乾燥後も微細な粉が出にくい
  • い草本来の色合いと、自然な香りがそのまま残る
  • 使い込むほどに、飴色へとゆっくり変化していく

つまり、均一な仕上がりよりも、自然な素材感を選びたい方向けの畳表です。
だからこそ、赤ちゃんが肌で触れる場所にも安心して選びやすいのです。

赤ちゃんにとってのメリット

畳と子供のアレルギー
  • 泥の粒子がないため、肌への刺激が少ない
  • ハイハイや素足で過ごす時間も安心感がある
  • い草本来の自然な質感を感じられる
  • い草内部のハニカム構造による弾力で、転倒時の衝撃もやわらぐ

もちろん、畳選びに正解はひとつではありません。 ただ、子育て中の家庭にとって、選択肢のひとつになる素材だと言えます。


そもそも、い草という植物が持つ力

無染土い草の魅力を語るうえで、い草そのものの特性も欠かせません。

というのも、い草には昔から知られてきた性質がいくつもあるからです。

い草の断面にある、ハニカム構造の秘密

い草の内部構造

い草の茎を輪切りにすると、内部には白いスポンジ状の組織が詰まっています。

これは星状の細胞が集まってできた、多孔質のハニカム構造です。

つまり、蜂の巣のように小さな空間がぎっしり並んだつくりをしているのです。

この構造こそが、い草の持つさまざまな機能性の源になっています。

クッション性:い草そのものが持つ弾力

赤ちゃんと無染土畳

クッション性も、このハニカム構造から生まれる性質のひとつです。

い草一本一本の内部にある多孔質な組織が、踏んだ時の力をやさしく受け止めてくれます。

そのため、フローリングに比べて衝撃をやわらげてくれます。 つかまり立ちやよちよち歩きの時期は、転倒がつきものの時期でもあります。

だからこそ、い草の弾力は、赤ちゃんを見守る家庭にとって心強い性質です。

もちろん転倒そのものを防ぐものではありませんが、着地の衝撃を和らげてくれます。

調湿性:湿度をやわらかく整える

い草

同じハニカム構造は、湿度の調整にも役立っています。

多孔質な組織が、湿度が高い時期は水分を吸い、乾燥する時期は放出すると言われています。

赤ちゃんの過ごす部屋は、汗や湿気がこもりやすいもの。

だからこそ、い草の調湿性は子育て中の家庭にとって心強い性質です。

さらに、この構造には二酸化窒素などの物質を吸着する働きもあるとされています。

つまり、クッション性・調湿性・空気への働きかけは、すべて同じハニカム構造が生み出している性質なのです。

香りと空気:自然な清涼感

無染土い草の香りを嗅ぐ

い草には、フィトンチッドと呼ばれる香り成分が含まれています。

これは、リラックス効果があるとされる、植物由来の香りです。

無染土い草は泥で覆われていない分、この香りをより感じやすいとも言われます。

畳の部屋に入った時のふわっとした香りは、い草ならではの魅力です。

知っておきたい注意点

良いことばかりを並べるのは、誠実ではありません。 そのため、いくつか知っておきたい点も紹介します。

  • 色の経年変化があるため、均一な色味を好む方には不向きな場合もある
  • 通常のい草同様、直射日光や過度な湿気には注意が必要(泥染めしていないため、日焼けしやすい)

このように、メリットと特徴の両方を知ったうえで選ぶことが大切です。


全国にたった2件。熊本県八代市の生産者のこだわり

無染土い草を生産する倉井敏夫さん

無染土い草を手がける農家は、全国でわずか2件のみ。

その一軒が、熊本県八代市の倉井さんです。

 

倉井さんの原点は、シンプルな想いでした。

 

「規格ではなく、本当に良いものを作りたい」。

 

例えば、い草の白い根っこの部分。 通常は見た目を整えるために切り落とされます。

しかし倉井さんは、強度を重視してあえて残す選択をしています。

息子さんやお孫さんが遊んでも傷みにくい、丈夫な畳にするためです。

品質へのこだわりは、随所に表れている

無染土い草の国産畳表を製造する工場
  • 見た目より、強さを優先する判断
  • 品質を保てない部位は、迷わず切り落とす誠実さ
  • 有機肥料による土づくりから、手間を惜しまない姿勢

こうした一つひとつの積み重ねが、結果として畳の優しさにつながっています。 規格を超えた価値は、誰かを想う気持ちから生まれるのかもしれません。


子育て世代に選ばれている理由

国産い草の畳表を堪能する佐野畳屋

赤ちゃんのいる暮らしでは、床材ひとつにも慎重になるものです。

だからこそ、無染土い草は静かに支持を広げています。

理由はシンプルです。

 

 

泥を使わない自然な畳表であること。

そして、丈夫で長く使えるように作られていること。

 

もちろん、畳を替えるタイミングは家庭によってさまざまです。

新生児期、ハイハイが始まる頃、卒乳のタイミングなど。 それぞれの節目で、床環境を見直す方も多いようです。

無染土い草は、そうした見直しの選択肢のひとつとして知っておいて損はありません。

 


まとめ:赤ちゃんに寄り添う畳という選択

無染土い草の生産者倉井さん

無染土い草は、泥染めをしないという、たったひとつの違いから生まれる畳表です。

しかし、その背景には生産者の丁寧な仕事と、確かなこだわりがあります。

子育て中の家庭にとって、赤ちゃんが安心して過ごせる床は大切な要素のひとつ。

無染土い草も、その選択肢として少しずつ知られ始めています。

もし赤ちゃんに優しい畳について気になった方は、まずは特徴を知ることから始めてみてください。

きっと、畳選びの新しい視点が見つかるはずです。


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