『欲しがってんなー。俺。』
想像以上に国東から八代までは遠く、別府湾、由布岳、筑後平野に阿蘇山、八代平野そしてい草。
今回色んな素敵な自然を感じながらの道中色んな事を考えました。(言わば禅問答的な)
その時間の中でものすごく感じたのは
『欲しがってんなー。俺。』ということでした。
またそれと同じくらいで感謝していました。
誤解の無いよう初めに言っておきますが、
僕は宗教者でもないし、カウンセラーでもない。心理学者でもありません。
ただ一人の人。
たかが畳屋。
されど畳屋です。
うりゃーー
足知
”足るを知る”という言葉があります。
語源は、老子(ろうし:中国の思想家)の「知足者富」という言葉です。
── 足るを知る者は富む、という意味です。
「富む」といってもお金持ちになると言う意味ではなく、
幸せになれると言う方がイメージに近いでしょう。
── 足るを知る人は幸せになれる。
では、「足るを知る」とはどういう意味でしょう?
「無いもの」「不足しているもの」に注目するのではなく、「足りてるもの」「すでにあるもの」に注目するという意味です。
そうすれば幸せになれると老子は説いたのです。
甲本ヒロトさんも言っています。
「幸せを手に入れるんじゃない
幸せになれる心を手に入れるんじゃ〜」って(すごく好きな言葉)
足りている事を知る。
日本はいまモノが溢れています。
これ、要ります?ってモノばかり。
結果、年間2842万トンの食品廃棄物、うち食物ロスは646万トン
食物ロスの内訳は事業系約357万トン、家庭系約289万トン
これは平成27年度推計消費者庁の出した数値ですが、とんでもない数字です。
もう想像すら出来ません。
でもその中で国連は貧困、飢餓を一つの大きな問題としている。
一方では余り、一歩では足りない。大きな矛盾が世界にあるんです。
数値はいま検索したものですが、SDGsをしっかり事業展開の目印として見据えていこうとする今、
僕らの”あたりまえ”を大きく見直していくのが必要だと思うのです。
という考えをベースに文頭の禅問答に至るわけです。(長くてすいません)
すなわち新しく作るのではなく、
今あるものを楽しく使う術(すべ)を知ろう。
ってな訳です。(まずは僕が)
はい。前置きがすごく重く長いですがここからが産地礼賛の後編です。
前編をご覧になっていない方はこちらからどうぞ
https://sano-tatamiya.com/5645/
土曜日の夜、意外に早い解散だったので、
本を片手に一人居酒屋をし(もちろん完食)
その日は就寝。
次の日(日曜日)
朝、珈琲が飲みたいと朝カフェを検索するも近くには無く、(わが町もですがここがいつも残念)
散歩もしたかったので、少し遠めのコンビニまでドラクエウォーク。
ホテルに戻り、シャワーを浴び、窓を開け、夫婦共々最近契約していることに気づいたAmazonミュージックで、お気に入りの音楽を流してからの思い出しブログ。
音楽が相まってか、年のせいか、妙に泣きそうになりながらブログ(産地礼讃前編)を書き、
草野さんのところへ。
「佐野くんに見せたいものがある」と見せてくれた畳表は、もう人生理念と日々の思いが詰まったまさに草野ブランドで、お昼ご飯までご馳走になりながらのトーク。
足るを知るという話。
禅の話。
い草の話。
生きるという話。
感謝という話。
草野さんの人格はもう哲学そのもので本当に輝いていました。
そうしているうちに、倉井さんたちお仲間が集まってきて、
農家4人+畳屋1人の現地検討会。
前のブログにも書きましたが、来週予定だったものを、僕のために今日にしてくれたんです。
(マジ感謝っす)
い草を一株掘り起こし、根っこを見たり、匂いを嗅いだり、色だったり、はかまの部分だったり
見ながら話す。
ぶっちゃけます。
専門用語と方言でほぼ何言ってるかわかりませんでした。(笑)
ただ分かったのは、
い草とい草農家さんの根っこの部分。(何気にうまいし、ここが知りたかった)
あのね。
方言でよくわからないし、みんな笑ってるのでつられて笑ってますが、
本当に不安定な一面の話だったり、い草市場の話だったり、
正直笑ってる場合じゃ無いような気もする話だったのですが、笑ってる。
ここに農家さんの強さと優しさの真髄を見ました。
楽観的というだけじゃない、
まさに足るを知っている感じなんです。
だから笑う。
周りの仲間はい草をやめて野菜を作りはじめた。
その仲間の気持ちもわかるし、裏切りものーなんて微塵も思っていない感じ。
ただただ人生をかけてい草を作る。一生懸命に。
税理士に言われるらしい。
「もっと頑張らないと」
って。(もちろん数字的意味で)
「頑張っとんやけどな-」って笑ってる。
父が農業やっている僕は少しだけわかる。
生産業の頑張るは意味が全く違う。
自然が相手だからだ。
頑張って生産性を上げるとかの次元ではない。
もちろん研究、探求、追求で改善される部分も多々あると思うけど、
結局は自然あってのものなんです。
だからこそ類を見ないほどの価値がある。(と僕は思ってる)
本当に感謝しかない。
道中で感じていた感謝の部分はここ。
こんな僕を笑顔で受け入れてくださる生産者さんたちに本当に、本当に感謝なんです。
だって買い付けに行ったわけでもない。
イベントに参加したわけでもない。
はたからみれば「何しに来たの?」ってこんな僕をです。
淵野さん、
草野さん、倉井さん、
現地検討会では、三井さん、瀬海さん。
本当にありがとうございました。
お土産も実家からの仕送りかぐらいいただき、
今日のブログは七島イの香りの中で幸せに書けています。
最後にまとめて写真貼っときます。
小田和正さんの「言葉にできない」を聴きながらどうぞ。
一本一本魂を織り込んでいく
ここが人生の職場
かじかんだ手を温めながら、深く深く
自然と人の産物は本当に五感にビンビンきます
い草も人もしなりが重要だ。
存在感がすごい
日々のこと教えてもらいました
切磋琢磨、人もい草も根っこが大事
一本一本の個性の塊
作る責任、使う責任
届く。きっと届く
最高に輝いてるぜ
最高にカッコいいぜ
皆さん本当にありがとうございました。
い草は循環型
目指す世界は循環型世界
畳をつくる。未来をつくる。
ほっこりしようぜ
おしまい