「母ちゃん、ちょっと来て来て!!」
畳を納め終えたあと、ご主人は嬉しそうに奥さんを呼んだ。
一週間前、一度借家の畳でお世話になった方から電話をいただいた
指定された場所に伺ってみると
ご主人が外国人の従業員のために手狭になった休憩室をDIYで改装していた。
手作りの部屋に通されると
「ここに畳を敷きたいんだ」
と八畳間の空間を指差した。
こう言っちゃなんだけど、いかにも手作りの部屋。
専門用語になるけど曲(くせ)がすごく所々に凸凹がある。
だけど、しっかり休めるようにと細かい配慮もたくさん。
この優しい空間。必ずやいい畳を納めたいと、細かく寸法を取り、
切る。縫う。切る。縫う。
そして納品日が今日だった。
しっかり入り、ホッと一息。
畳って真四角だったり長方形だと思っている人が多いんですが、
実は基本的に真っ直ぐなのは真ん中の畳だけで、
壁に接している畳は壁の通りに作ってあるんです。
新築の家はあんまり曲がってないけど、
古民家だったり、手作りだったりすると、結構な曲があり、
測るのも、作るのも難易度が高くなる。
そして何より無事に納まってしまうまで、すごい形の畳を作りながら
「これ無事入るのだろうか」
と心配になっていくもので。
ここんとこそういった空間が多かったのでドキドキしている日々。
間違えるのって結構難易度低めのとこだったりするのですが😅
まあとにかく、
「母ちゃん、ちょっと来て来て!!」
わあ綺麗になったねー
って喜んでくれたことが本当に嬉しい。
自慢してもらえる畳。
ってのが職人としての僕の秘めた思いです。
明日はいよいよ7都市に緊急事態宣言が発表されますね。
みんなが今できることをやる。
色々思うところはあるのだろうけど、
今こそ一丸となって未来に誇れる行動をとろう
そしてきっと乗り越えて、オリンピックでまた世界が一つになれますように。
それではまた。
今だからこそ、今しかできないほっこりを。
ほっこりしようぜ
おしまい